彼氏は意地悪です。【MTC】

貴方に触れたくて　理鶯　1 ページ19

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私の彼氏はかっこよくて男らしくて強くて、そしてとっても優しい人。




「A、今日はもう遅いから帰った方がいい。家まで送って行く。」


「うん、ありがとう。」


仕事帰り彼のキャンプ地まで足を運んだ私はそんな別れを告げる言葉に少し肩を落とした。





「さあ、行こう」



そう言って歩き始める彼の隣に私も駆け寄り夜の森を抜けて行く。


本当はもっと一緒にいたいのに…。


なんて事を思っても、中々素直に言えないのには理由がある。






「じゃあA、早く温かい湯船に浸かってぐっすり眠るといい。
最近寒くなってきたから風邪を引かないようにな。」


「うん。でも理鶯さん…、、折角だしもう少しだけ家でゆっくり…」


「明日も仕事があるのだろう？寝不足にさせてしまっては申し訳ない。
部屋に入るまで見ててやるから早く中へ。」


「分かった…。じゃあおやすみ。送ってくれてありがとう。
理鶯さんも帰り、気を付けてね。」


「あぁ。心配するな。おやすみ、A。」







_____結局今日もただ話しただけで終わってしまった。


理鶯さんと付き合い始めて1ヶ月が経ったのだけど、私達は未だ手を繋いだこともない。
なんでかって言うと、私が待ってるだけっていうのも悪いけれど理鶯さん自身もそういった事をしてくる素振りがないからで………
受け身姿勢が強い私としては自分からアクションを起こすのが苦手というか、恥ずかしいというか。



今までも何度か家に誘ったことはあったけど、いつも私の事を気遣って中に入ろうとはしない。
会ってもただ色々な話をし合うだけ。
別にそれが楽しくない訳ではないし、こんなでもお互い好きだから付き合っているのだ。




「あ〜あ。こんな風に思ってるのは私だけなのかなぁ。」



彼にもっと触れたい。



そう思いながら私は湯船の中に深く身を鎮めていった。





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