STORY 2ー7 ページ9
梅雨が明けきらない蒸し暑い日、私は律と駅で待ち合わせをしていた。
「Aー!!」
「律ー!!」
「あつい。」
「それな。」
「あー今日もめんどくさいけど大学行きますかー。」
「おー…」
谷山さんと出会ってから3年がたった。
律と同じ大学に進み、相変わらず可もなく不可もない生活を送っている。
高校時代とほぼ変わらない生活。
変わらないことはもう2つあって、谷山さんと付き合っている。ということ。
そして、凛夏さんと谷山さんの関係は私の推測でしかないけど、たぶんきっと、2人は付き合っているんだということ。
私と付き合ってるのに、凛夏さんとも付き合ってるなんて谷山さん、欲張りだなぁ…
としか思わない私はどうかしているのだろうか?
「Aどうしたの?起きてる、生きてる?」
「…律、1つおかしなこと言ってない?」
「え?」
「生きてる?…は必要ないでしょー!!!」
「うわああああ暴力反対ー!!!」
耳を掴むと大げさに叫ぶ律。
「声がでかい。」
「Aの力が強いだけ。この、前世ゴリラ。」
「うるさい、前世ピグミーネズミキツネザル。」
「なにそれ。」
「世界最小の猿。」
「…どーせ私はチビよ。」
「そーね、チビね。小人もびっくりするくらい。」
「…背骨何本か抜いてやりたいわ。」
「死んじゃうからやめてー。」
「…なんで、アンタだけニョキニョキと身長のびやがったのよ!!!」
「…遺伝じゃない?」
「そうなの?」
「さあ、知らないけど。」
まあ、父と母の記憶はほとんどないから。
「それはそうと、彼氏とは順調?」
「んー…どうなんだろ。」
「えー?なんかあったの?」
「いやーじつは一ヶ月ほど連絡を取っておらんのですよ。」
「…はああああああああああああ!?」
「律うるさい。」
「なによそれ、順調じゃないじゃん!全然、順調じゃないじゃん!!!」
「あ、やっぱりそう思う?」
律が頭の上で指をくるくるとまわしながらこう言った。
「その彼氏、これなんじゃないの?」
「頭おかしい?」
「そうよ!彼女に一ヶ月も連絡しないってなんなの!?」
「まあ、忙しい人だから。」
「それで片付く問題!?」
律は心底呆れた顔でこう言った。
「あんた、もうとっくに捨てられてるんじゃないの?」
「………。」
グサリ、
心の奥、蓋をしていた感情に律の言葉が刺さる。
「…ワンチャンありそうな怖いこと言うのやめてくれる?」
お久しぶりです。
次に続きます。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年4月28日 19時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2020年1月30日 15時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - Happyがいいです! (2019年7月2日 1時) (レス) id: 02bd7b299b (このIDを非表示/違反報告)
要 - butが見てみたい気もするけど…happy希望で! (2019年6月30日 23時) (レス) id: 6762372850 (このIDを非表示/違反報告)
くまっ子(プロフ) - 私的にはbutにして紀章さんが後悔する…みたいな感じがいいです! (2019年6月30日 23時) (レス) id: 8aff784c04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月 | 作成日時:2016年2月14日 20時