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STORY 2ー10 ページ14

夢主サイド


授業が終わって律とご飯を食べ、帰宅すると、

部屋の前の壁に誰かが寄りかかっていた。

…遠目からでもわかる。

あのシルエットは…

「…谷山さん?」

谷山「!!佳奈ちゃん、おかえり。」

「ただいま帰りました…っていつからそこに立ってたんですか?」

谷山「ん?あれ、今何時?」

「8時半過ぎです。」

谷山「あー、もうそんな時間か。」

「…なにやってるんですか。熱中症になりますよ。」

谷山「んーごめん。でも、話がしたかったから。」

「連絡してくれたらよかったのに。」

谷山「それもそうなんだけど、いや、うん。そうするべきだったね、ごめん。」

そういって、頬をかく谷山さん。

…すこし、やつれた気がする。

「ちゃんとご飯食べてるんですか?」

谷山さんの頬をそっと触る。

谷山「最近忙しくてなかなか、ね。」

「…だめですよ、食べないと。」

谷山「そうだね。ごめん。」

「…さっきからごめんって言い過ぎです。」

谷山「…ごめん。」

「ほらまた。」

谷山「ごめん。」

ふっと沈黙が訪れる。

「…ここに立ちっぱなしもなんですからとりあえず私の部屋に。」

谷山「そう、だね。」

久しぶりに顔を見た。

久しぶりに声を聞いた。

久しぶりに谷山さんの香りを感じた。

…でも、相変わらず、アネモネの香りを纏っている。

…凛夏さんの香りを。


凛夏さんとの関係は相変わらずなのか。

と、ただ思った。

それと、

なんとなく、

なんとなくだけど、

これで

終わりなきがした。

でも、寂しいとも、悲しいとも思わなかった。

…私は





「…好きじゃなくなった、」

谷山「え?」

「好きじゃなくなったんですか?私のこと。」

谷山「…な、なに言って「気づいてないとでも?」

谷山「なにを?」

「…。」




ああ、この人は気づいてない。

彼女の影が付き纏っていることに。


彼女が

あんたになんか渡さないと、

邪魔をするなと、

言っていることに。




蓋をしていた思いが

溢れ出して

洪水みたいに溢れて。

止められない。




「なにを?…それ、本気ですか?…だとしたら谷山さんって、最低ですね。」

谷山「え?」

「私がなにも言わないから気づいてないとでも?」

谷山さんの目が見開く。

谷山「…。」

「何も言わないからって、気づいてないと本気で思ってるんですか?」

黒い感情が渦を巻いて、

私の体を蝕んでいく。





「ーーーーーーー。」

自分でも驚くくらい冷たい声が出た。

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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年4月28日 19時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2020年1月30日 15時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Happyがいいです! (2019年7月2日 1時) (レス) id: 02bd7b299b (このIDを非表示/違反報告)
- butが見てみたい気もするけど…happy希望で! (2019年6月30日 23時) (レス) id: 6762372850 (このIDを非表示/違反報告)
くまっ子(プロフ) - 私的にはbutにして紀章さんが後悔する…みたいな感じがいいです! (2019年6月30日 23時) (レス) id: 8aff784c04 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年2月14日 20時

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