もみ消して冬

28話 ページ31

Aside

ｺﾝｺﾝ

楠木:朝食のご用意が出来ております

A:すぐ行く

泰造:小岩井はどうだった

A、秀作:はい？

泰造:昨日会いに行ったんじゃないのか

秀作:行った時にはもう用意されてました

と小岩井の退職願を黙って置いた

知晶:そう、話が早いわね

博文:メイド喫茶の件はどうだった？まさか行ってないって知らばっくれたわけじゃないだろうな

秀作:兄さんの言った通りだったよ

博文:そうだろ

知晶:でもあの生真面目な小岩井を狂わせるなんてどんな店なのかしら

博文:ミルキー王国別館だ

泰造:王国なのに別館があるのか

博文:はい。小岩井にとって長年の夢だったんだよ。

知晶:夢？

博文:一度でもいいからおかえりなさいませご主人様と言われたかった。それが意外と心地よかったんだろう

A:小岩井には少しがったりしたよ。メイド喫茶の件もそうだけど、うちで働いてたことに未練もなさそうだったから

秀作:A…

楠木:いつもありがとうございます

秀作:ねぇ小岩井の事なにか聞いてるの？

楠木:知晶さんがしばらく体調不良でお休みになると

A:そうなんだ、それだけ？

楠木:小岩井さんのお仕事もできるようになりなさいと

秀作:ふーん、だから朝から妙に張り切ってるんだ

楠木:いや張り切ってなんかとんでもございません

まぁ小岩井が辞めて得するのは楠木くんだけど

いくら何でも思いすぎじゃない？

楠木:早く小岩井さんに戻っていただかないとで一人ではできません

秀作:ほんとにそう思ってるの？

A:秀作いい加減にして、そりゃ小岩井がいなくなって悲しいのはわかるだけどいくら何でも楠木を責めすぎだよ…

と優しく叱って

A:楠木くん私と秀作、部屋にいるから

楠木:分かりました…

〜Aの部屋〜

A:秀作、泣いてもいいんだよ？

秀作:うぅ…ｸﾞｽｯ…うわぁーん

A:うん…ｸﾞｽｯ…

永遠泣いた

29話→←27話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す