もみ消して冬

24話 ページ26

秀作side

飼主:北沢さんよ、チャッピーちゃん

秀作:久しぶりチャッピー

チャッピー:わんわん

飼主:先日もご近所さんに頼まれてマフラーを見つけたんですよ

秀作:そうなんですか。すごいなチャッピー

飼主:この子は人の役に立つがほんとに生きがいなんですよ。きっと役に立ちますよ

秀作:じゃあお借りします

ﾃｸﾃｸﾃｸ

秀作:チャッピーこれがジョンの匂いだ

秀作:いいぞチャッピーその調子だ。いけいけ！

チャッピー:ワンワン！

チャッピーが吠えたので見てみると

チャッピーお前は本当に優秀な犬だ

感動してるよ

でも追いかけるのは兄さんの匂いじゃなくてジョンの匂いなんだ

北沢

というネームプレート

でもお前を攻めることなんてできないよ

犬が犬を探すなんてありえないよな

楠木:おかえりなさいませ！どうされたんですかその犬

秀作:悪いんだけど水を1杯貰えるかな？すぐに返しに行かないといけないんだ

楠木:分かりましたすぐに持ってきますね

楠木:お待たせしました

秀作:ありがとう

そして僕は平らなお皿に入れられた水を飲んだ

楠木:はぁ！申し訳ございませんてっきりワンちゃん用のお水だと思いまして

秀作:ううんいいんだ。味は同じだから

楠木:すぐに秀作さん用のお水を持ってきます

僕は咄嗟に嘘ついてしまった

コップで飲む水と平たい皿で飲む水の味は同じ味じゃありません

僕は水をチャッピーにあげた

母さん元気ですか？

見習い執事まで僕をいじり始めました

我が家のヒエアルキーがまた少し動き出しそうです

今年の冬は寒くなりそうです

僕は他人のケータイを無断で操作し、挙句の果てに海に捨てた

どんな事情があろうと罪を犯したのに間違いない

ベテラン刑事さんは犯罪の匂いを嗅ぎ分けられるという

尾関:先輩どうしたんすか？

秀作:なんだ尾関か…

尾関:先日はご馳走様でした。先輩に余計な事を言ってしまったと後悔しています

秀作:あれ？なんだっけ。酔っ払ってたからな

尾関:覚えてないならいいです

いい訳ないだろ！

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