もみ消して冬

8話 ページ10

Aside

泰造:昨日のことは心配いらないお前達にも迷惑はかけない

博文:どうするつもり

泰造:まず一度膝を突き合わして話してみる結論はそれからだ

と言うとお父さんは仕事へ向かった

博文:まさか向こうの要求に応じるつもりじゃないだろうな

知晶:それだけはやめてって釘を刺しといたから大丈夫

博文:親父からなにか聞けたか

知晶:相手の名前と住所、家族構成

博文:俺にも教えてくれ

A:私にも！

知晶:Aも？珍しいわね

A:家族の問題だし、それにこっちの業界にもなにかあるかもしれないし

知晶:分かったわ。島畑富士子42歳

博文:何人事みたいな顔してんだよ！

秀作:へ？

博文:お前もちゃんとメモしろよ！

秀作:どうして？

博文:女の主上を徹底的にあらうこの問題は俺たちしか解決できないんだぞ！

秀作:でも父さんも心配するなって言ってたし

知晶:秀作は父さん助けたくないんでしょ？

A:えっ！

お姉ちゃんの言葉にびっくりした

秀作がお父さんを助けたくないなんて

秀作:そんなことは無いけど

博文:まだプレゼントのこと引きずってんのか

秀作:ううんあれは僕にも落ち度があったと思うし

博文:じゃあ協力しろよ

秀作:もう少しだけ様子を見てからでもいいんじゃないかな？

博文:そんな呑気に構えてたらな取り返しのつかないことになるんだよ

秀作:父さんのこと信用したいんだよあの父さんが本気で好きになった人だよ

博文:信用するもなにも女からには多額の金を要求されてるんだぜ

秀作:感情の一時的なもつれかもしれないし、相手もついカッとなってあんなこと言ったのかもしれないし

知晶:はぁ？ねぇ何言ってんの

秀作:はい？

知晶:昨日の写真見たでしょ裸で寝てるところを狙ってとってんのこれは手慣れのやり方よ

秀作:そうかな

知晶:貴方は身内がこんな目にあってんのに悔しくないの

秀作:悔しいっていうか

博文:悔しいよ、秀作だって悔しいよな？いざとなったら拳銃でも手錠でも使ってどうにかするよな？

秀作:いやいやそんなことする訳ないでしょ

知晶:やれよ

秀作:えっ？

A:私もどんな手を使ってでもどうにかしたらいいと思う

秀作:Aも？

私は少し秀作にイラついた

今回はお姉ちゃんの気持ちが分かった気がする

楠木:パンのおかわりいかがですか？

博文:俺はいい

知晶:ひとつ頂戴

楠木:朝はおかわりなさらないって

知晶:今日はお腹減ってんのさっさと頂戴

楠木:かしこまりました

A:私もひとつ頂戴

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