番外編「分からない」3 ページ38
周りの人間によって、孤独にさせられた
その時点で私はもう涙が零れそうだった
太宰「その自傷癖になるのも、マイナス思考になるのも、必然的だったんだ。死にたいなら死ねばいい。自傷したいならすればいい。だけどね、君が知らないとこで、そんな君をみて苦しむ人もいるのだよ、例えば私や、国木田君、探偵社の皆とかね」
A『__っ』
何故この人は、言ってほしいことが殆ど分かるのだろうか
太宰「頼ってと言われても頼れるわけがない。頼り方が分からないのだから、仕方ないこと。ならば、そういうときは、気づいた人間が無理矢理にでもこうやって話しかけるしかないのだよ・・・だってほら、今君は、少しだけ救われているじゃぁないか」
A『ふっ・・・うっ・・』
涙が止まらなかった
実際にそうだからだ
A『わ、分からないんで、す。なぜ、死にたいと思って‥っふっ‥しまうのか・・・周りの人間の普通が…うぅっ‥ヒック…なん、なのかも…!』
太宰さんはしずかに聞いてくれた
時折、相槌を打ってくれた
分からなかった
周りの人間の普通が
自然と「普通」という言葉を言ってしまうと、酷く悲しい気持ちになった
それさえも、自分のことなのに分からなかった
なにもかも、分からなかった
A『死にたいのに・・っなぜかっ死ねなくて…眠るように、死ねたらいいってっ、いつも、思ってて…でも、できやしないから…っ…自傷に、はしっ、て・・も、わけわからなくて・・・!』
止まる気配のない涙に嫌気がさしてきたころ、太宰さんが口を開いた
太宰「…A、君は君らしく、自分なりの考えを持てばいい、なにも悪くないんだ。Aが周りの人に自分の思っていることを偶に言っていたのも、期待したからだろう?助けてくれるのではないかと。だが帰ってきたのは当たり前のことだ、そう言われた」
私は泣きながら相槌を打つしかなかった
太宰「だが仲のいい友達に聞けば、普通とはすこし違う考えと言われた・・・そういう矛盾が、君をおかしくさせたんだ」
A『ふっ・・うぅっ・・うあぁ』
太宰「音楽をヘッドフォンで大きめの音で聞いていたのも、そういう言葉から逃げるため。違うかい?」
A『違わない、です』
太宰「Aはなにもかも自分で気づいているんだ、だからどうすればいいのかもっと分からなくなる」
私はもうひたすら泣いた
滝の様に涙が出てきた
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かき氷 - 話が深いっ!セリフも深いっ!もはやマリアナ海溝だっ!!←何言ってんだこいつ((どうやって思いついたんだろう…もしかして…(ry (2022年11月4日 12時) (レス) @page45 id: 3cc8562ddc (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 更新ありがとうございます。ゆっくり気が向いたとき、夢歩さんの作成楽しみに読ませていただきます (2020年4月4日 12時) (レス) id: 8d468bef63 (このIDを非表示/違反報告)
Liar/夢歩@12301(プロフ) - 白雪さん» レスが遅くなってしまい申し訳ございません。ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月9日 18時) (レス) id: 197c215e5b (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 夢歩さんの書く夢小説大好きです!!!!応援してい!!!! (2019年2月7日 2時) (レス) id: acff4ac6b0 (このIDを非表示/違反報告)
Liar/夢歩@12301(プロフ) - 五月雨花火さん» ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!これからも頑張ります! (2018年7月16日 14時) (レス) id: ef76fae79e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Liar/夢歩@12301 | 作成日時:2018年2月14日 0時