番外編「分からない」2 ページ37
太宰さんに手を引かれること数分、私は太宰さんとある墓の前にいた
A『…太宰さん?』
太宰「やあ、久しぶりだね
織田作」
分からなかった
何故太宰さんがこんなとこへ来たのか
花もなにも持たず手ぶらで
太宰「A、隣座り給えよ」
そういいながら隣をポンポンと叩き、座るように誘導する
私はなんの疑いもなく座った
太宰「‥さて、A、君は気づいてないようだけれど、今の君の顔、時折泣きそうになってるよ」
A『…え』
気づかなかった
だから‥乱歩さんが差し入れを…?
太宰「深くは聞かないけど・・・大雑把でいい、なにかあったのならいい給え」
A『・・・』
私は言葉に詰まった
太宰さんとは付き合いが長い
だから彼の思考の鋭さは知っている
隠そうとしてもいつの間にかバレているというパターンが多い
太宰「君が今言葉に詰まっているのは、どこかで怖いと思っているからだろう」
A『‥怖い…?』
太宰さんはゆっくりと、でも確りと頷いた
太宰「自分の意見を言うのは悪いことではないよ、逆に素晴らしいことだ、だが君の考えていることは、周りの【普通】の人からしたら、とても理解されず、当たり前だという人もいる。だから君は言わないのだろう?」
A『…』
太宰「知らず知らずのうちにそれが恐怖となって、君に住み着いている。自分が思っていることは当たり前のことだ、普通のことだと押さえつけて」
なんとなく、太宰さんが言おうとしていることがわかった
これは・・・私、泣いちゃうな
どこかでそう確信した
太宰「君は人間嫌いだと昔言っていたが・・・嫌いだけではないだろう?怖い、とも思っている・・そうじゃないのかい?」
恐怖心
太宰「君は、もうどこかで気づいているのではないのかい?」
気づいてた
気づきたくもなかった
だから知らないふりをしていた
太宰「君はいつも自問自答を繰り返している、それは自分を苦しめているだけだ。君は、周りの人間によって、孤独にさせられた」
本当は、人間なんて嫌いになりたくなかった
必然的だったのだ
悪口を目の前で言われ、容姿や声のことをごちゃごちゃ言われ、靴をゴミ箱に捨てられ
親にも自分はいらない子だと言われいるような感じさえして
そんな風に感じ取ってしまう自分が嫌で仕方がなかった
前向きになろうとしても
無理だった
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かき氷 - 話が深いっ!セリフも深いっ!もはやマリアナ海溝だっ!!←何言ってんだこいつ((どうやって思いついたんだろう…もしかして…(ry (2022年11月4日 12時) (レス) @page45 id: 3cc8562ddc (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 更新ありがとうございます。ゆっくり気が向いたとき、夢歩さんの作成楽しみに読ませていただきます (2020年4月4日 12時) (レス) id: 8d468bef63 (このIDを非表示/違反報告)
Liar/夢歩@12301(プロフ) - 白雪さん» レスが遅くなってしまい申し訳ございません。ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月9日 18時) (レス) id: 197c215e5b (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 夢歩さんの書く夢小説大好きです!!!!応援してい!!!! (2019年2月7日 2時) (レス) id: acff4ac6b0 (このIDを非表示/違反報告)
Liar/夢歩@12301(プロフ) - 五月雨花火さん» ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!これからも頑張ります! (2018年7月16日 14時) (レス) id: ef76fae79e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Liar/夢歩@12301 | 作成日時:2018年2月14日 0時