あなたの音に【中村悠一】

「疲れたでしょ」 ページ7

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「中村さん⁉」

「おう、お疲れ、
外は寒いぞ？風邪ひくから温かいのにしといた方がいい」


「お、お気遣いありがとうございます」

「いえいえ」


そういうと彼はコーヒーを飲みながら
自販機前の軽食スペースに座る


「今日は疲れたでしょ？」

突然の問いにボタンを押そうとした手が止まる

疲れたけど、先輩に向かって疲れたなんて言っていいのか、
それとも、後輩として試されてるのか、

黙るわけにもいかず、苦笑い混じりに
「んー…」と唸りながら先輩の助言通りホットレモンを押した。

「そうでもないですよー…」

語尾が弱くて情けなくなる
ホットレモンを拾い上げ
間隔をあけて座るのもなんだか違和感があるから
とりあえず、彼の１つ隣に座ってみる。

温かいペットボトルが心地よくて
頬にあてて彼を盗み見よう、したのに


目があった…

困ったような、優しい目。


「気、遣わなくていいよ」

この人の前では強くありたいと思っていたのに、

瞬間に涙が流れた





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