振り向いた先に ページ25
「あ、良かった。後ろ姿だったから、Aさんかどうか自信がなかったんです」
そう言いながら、爽やかな笑顔で駆け寄ってくるのは、やっぱり私が投票した、ユノさんだ。
余りに思いがけなくてボーッとしていたら、目の前にユノさんの顔が、ニュッと現れた。
「Aさん…で、合ってますよね?」
「あっ、はい、はい!合ってます!Aです!」
「良かった、名前を間違って覚えてしまったのかと思いました」
ニッコリと、人当たりの良い笑顔で私を見るユノさんに、私の脳がついていけない。
「Aさんは、こっちなんですか?」
「え?」
「帰り道です。と言うか、帰るところですか?」
「あ、はい。この先の地下鉄に乗ろうかと…」
「僕もです。じゃあ、そこまで一緒に行ってもいいですか?」
って。
まるで前から知り合いだったみたいな空気で私の隣に並んで歩き出した彼。
ど、どうしたんですか神様。
いきなり最高級なプレゼントをくれるなんて……!
「今日は楽しかったですね」
「あ、はい、そうですね」
この状況にまだ戸惑ってはいるけれど、イケメンアイドルユノさんと話せる最後のチャンスだから、何とか会話について行く。
「でも、人が沢山いてビックリしました。沢山話したから、僕は少し声が変わっちゃって」
「あはは。私も、1日であんなに沢山の男性と話したのは初めてでした」
「女性の方が、男性から話しかけられる事が多いから、大変でしたね」
「いえいえ、それを言うならユノさんの方が、女性に囲まれて大変だったんじゃないですか?」
「あ、名前…、覚えていてくれたんですね」
「もちろんですよ」
なんせ、投票までしましたから。
「僕なんか、印象にも残っていないと思っていました」
「まさか。そんな事はないですよ」
ええ、有り得ないです。間違いなく、印象に残っている男性NO.1です。
「今日は参加者が多かったみたいで、全然話せませんでしたね」
「そうですね。私、最初に1分半で交代と聞いてビックリしました」
「時間が足りないですよね」
「そう思います。あんな少しじゃ相手のことも分からないですよね」
「僕もそう思います。……そこでなんですけど、もし良かったら……」
そう言って、ピタリと歩くのを止めたユノさんが
「この後、食事にでも行きませんか?」
そう言った。
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ユチコ(プロフ) - ひよさん» ひよさん。嬉しいコメントありがとうございます〜!続きが気になると言ってもらえて気持ちが上がりました!頑張ります☆ありがとうございます! (2022年6月27日 13時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - ユチコさん、こちらの作品に今日初めてたどり着いて楽しいやらキュンとしたりでいっきに読んでしまいました♡めっちゃ続きが気になります〰!でもユチコさんが楽しんで書けるペースで更新して頂けたら嬉しいです。楽しみが1つ増えました♪ありがとうございます! (2022年6月25日 18時) (レス) id: 0cf98dcfca (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - ショコラさん» ショコラさん。読んでくださりありがとうございます!出来る限りペースで更新していきますので、また読んでやってくださいm(_ _)m (2022年6月10日 12時) (レス) @page13 id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - ユチコさん、更新ありがとうございます!続き気になってたので嬉しいです♪ (2022年6月9日 23時) (レス) id: 35f5f32be3 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - すぐりさん» すぐりさん。更新がストップしててごめんなさい(ó﹏ò。)少しでも楽しんで貰えるように、この先のお話も頑張ります! (2022年6月9日 9時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2020年11月22日 21時