*･ﾟ*･ﾟアイドル好きで何が悪い*･ﾟ*･ﾟ

友達の成功 ページ24

｢ごめんね、A。じゃあ夜にでも電話するから｣


カップリングを成功させたアカリは、藤木さんの車でドライブデートをする事になったらしく。


｢全然だよ。楽しんで来て｣


この婚活パーティーの為に、凄く努力していたアカリの成功を嬉しく思いながらも、私は一人、すっかり日が落ちた道をトボトボ駅に向かって歩いた。


｢はぁ……｣


これが現実だ。
欲を出した結果がついてきただけ。


重いため息を吐きながら、一つ納得出来ていない事に思考を巡らす。



｢ユノさん……。なんで、カップリング成功しなかったんだろ…｣


あんなにイケメンなのに。
あんなに素敵な人なのに。


もしかして、女性陣一番人気の美女を狙ったのかな。
あの子、意外にも違う人とカップリングしてたからなぁ。
あ。それとも、本当にサクラだったとか……。


｢はぁ……｣

二度目のため息。
吐く息は白い。そして冷たい。

失恋して婚活パーティーに参加して。結果、一人で帰っている自分がどうにも可哀想になってきた。



｢A……さん？｣


あ〜あ。あと10歳若ければ。
そしたら、こんな風に焦ることも落ち込むことも無かっただろうに。


｢Aさん｣


女の30代はあっという間に終わるって言うし。
きっと私はこのまま一人で歳をとって行くんだわ。


｢Aさん｣


……いや、それでもいいか。
私には推しがいる！私を癒してくれる目黒淳くんがいるじゃない！


｢そうだよ！｣

導き出された答えに、思わず声を上げ。

それと同時に｢Aさん！｣聞こえてきた声に振り向いたら。



｢…………え？｣




そこに、イケメンアイドル、ユノさんが立っていた。

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