*･ﾟ*･ﾟアイドル好きで何が悪い*･ﾟ*･ﾟ

フリータイム ページ22

結局、決断出来ずに突入したフリータイム。


婚活パーティーに慣れているのか、もしくは、とても積極的な人ばかりなのか。

合図と共に、一斉に人が動き出すのを圧倒されて見ていたら、あっという間に私の周りに人がいなくなった。


｢……辛辣｣


これはヤバイ。
フリータイム中、ずっとボッチは辛すぎる。


「気になる人が居たら、自分から積極的に声をかけましょうね！」

司会の女性の声が響き、更に人が動き出す。


ど、どうしよう。とにかく誰かと話さなくては。


キョロキョロと周りを見渡すけれど、どこもかしこも話が始まっている感じで、今更割り込む勇気は私にはない。


……なんか。


「疲れた……」


笑顔で話している人たちを見ながら、壁に背中を押しつける。

ここに、本当に出会いなんてあるのだろうか。
この中に、本当に結婚まで辿り着く人がいるのだろうか。

……ていうか。そもそも私、本気で結婚したいと思っているのだろうか。


幸せそうに、楽しそうに話している人たちを見ながら、視線を彷徨わせていると

一際人が密集している所に、イケメンアイドル、ユノさんを見つけた。



｢わ……すごい｣


きっと、彼目当ての女性が集まるだろうとは思っていたけれど、これは予想以上だ。
頭ひとつ飛び出している彼は、中心で困ったように笑っていた。

あ。女性陣1番人気であろう20代美女もいる。



｢……やっぱりそうだよねぇ｣


これが現実だ。

私はやっぱり遠くから推しを眺めているのがお似合いで。

チャンミンくんやユノさんのような人とは、これくらいの距離を保たなければいけないのだ。




｢あの、少しお話できますか？｣

｢あ、はい。よろしくお願いします｣


そんな私に声をかけてくれた男性と、有り難くお喋り。


結局、理想は理想。

現実は、こっち。

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