婚活パーティー ページ18
勝手に好きになって、勝手に終わっただけだけれど。
あれから、チャンミンくんとアンナちゃんの姿を冷静に見られる自信がなくて、お店には顔を出すこともなく土曜日を迎えた。
「どう?変なところはない?」
会場の化粧室で、鏡を見ながら念入りにチェックしているアカリに「大丈夫。いつも通りいい女だよ」と答える。
嘘じゃない。
程よく引き締まった身体のラインが浮き出るベージュのニットワンピースを、程よい色気で着こなしているアカリは本当に綺麗だ。
「……もう。元気出しなよ!チャンミンくんだけが男じゃないでしょう!」
「……うん、わかってる」
先日、包み隠さず自分の気持ちをアカリに話したら、『それは無理だわ。諦めなさい』と、ズバッと言い捨てられた。
「しょうがないのよ。若い、可愛い、にはどの時代も勝てないの!」
ぐ……っ、相変わらず辛辣……。
「アカリはどうなってるのよ。 あの時ギュヒョンくんといい雰囲気になっていたじゃない」
「そう?まぁ確かに好みのタイプではあるけど、彼女がいる時点で論外よ。そんな人に費やしてる時間はないのよ。連絡先だって知らないわ」
「そうなんだ。流石、無駄な動きが無いねぇ…」
「そう言えば、Aはチャンミンくんに聞かれたの?連絡先」
言われて、ぐっと下唇を噛み締めた。
「……聞かれてない」
「あら、そうなんだ。その辺のマナーもわきまえているなんて、二人とも顔だけじゃなくていい男じゃない」
他人事のように笑うアカリを恨めしく想いながら
「……確かに」
なんて納得してしまう。
だって、今時連絡先の交換なんて仲良くなれば至極自然なことで、それが飲みの席なら尚更良くある話で。
なのに、交換しようなんて話にもならなかったことに、まぁ彼はシャイだから……なんて自分を慰めたりしていたけれど。
そうじゃなかった。
あんな可愛い彼女がいれば当たり前か。
他の女の連絡先なんて、必要なかっただけなんだ。
境界線をしっかり引かれていただけ。
「ほら!過ぎたことは忘れる!パーティーもそろそろ始まるわよ。ここで新しい出会いを見つけなきゃ!」
私の背中をぽんっと叩きながら、闘志を燃やし始めたアカリ。
新しい出会い、か。
確かにそうなのかもしれない。
いつまでも終わった恋を引きずっている時間は、私にはないのかもしれない。
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ユチコ(プロフ) - ひよさん» ひよさん。嬉しいコメントありがとうございます〜!続きが気になると言ってもらえて気持ちが上がりました!頑張ります☆ありがとうございます! (2022年6月27日 13時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - ユチコさん、こちらの作品に今日初めてたどり着いて楽しいやらキュンとしたりでいっきに読んでしまいました♡めっちゃ続きが気になります〰!でもユチコさんが楽しんで書けるペースで更新して頂けたら嬉しいです。楽しみが1つ増えました♪ありがとうございます! (2022年6月25日 18時) (レス) id: 0cf98dcfca (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - ショコラさん» ショコラさん。読んでくださりありがとうございます!出来る限りペースで更新していきますので、また読んでやってくださいm(_ _)m (2022年6月10日 12時) (レス) @page13 id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - ユチコさん、更新ありがとうございます!続き気になってたので嬉しいです♪ (2022年6月9日 23時) (レス) id: 35f5f32be3 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - すぐりさん» すぐりさん。更新がストップしててごめんなさい(ó﹏ò。)少しでも楽しんで貰えるように、この先のお話も頑張ります! (2022年6月9日 9時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2020年11月22日 21時