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32 sakuma ページ34

仕事終わりに浮き足立って、帰る準備をする。
楽屋を出る時「さっくん、今日阿部ちゃんとご飯行くねんけど、来るー?」と康二に声をかけられるけれど、俺はそれどころじゃ無いんだ。
「ごめん、今日ムリ!」と断れば、「なんや、珍しいな」と物珍しげに俺を見る康二に「じゃあな!」とルンルンで帰る俺。





今日は、Aに会えればなんだっていい!と思い、割と強引に家に呼んでしまったのだ。
『家とか無理』って言われんのかと思っていたけど

Aなんとか着いたよ。ご飯作って待ってるー

と言うLINEが入っていて、俺もう心臓バグバグで。
マンションの階段を駆け上がって、ドアを開けて「ただいま」といつものクセで言えば、

「…お、おかえり」

と、俺の方を恥ずかしげに振り返ってそう言うAがいた。


はぇぇぇ!やべぇ!新婚さんみたいじゃね!?
中学ん時何回も妄想したやつ!!!!
って言葉以外に出てこない。
偏食の俺が美味しく食べれる料理を作ってくれるところも、
いつも女の子らしいのに、料理をするときは強引に肘まで腕まくりするところも、
手際がいいけど鈍臭いのか、服がいつも少し濡れてるところも、

何も変わらない、あの日のまま。

「えーやば。萌えんね」
「萌えるって何それ」
「え?知らないの?萌え〜だよ!萌え!」
「それは知ってるけど」
「ん?そのまんまよ。“おかえり”って言われんの久々すぎて萌えたんだよね〜」

“変な奴”とでも言いたげに俺を見た後、キッチンに目を戻して「ふぅん」とテキトーに相槌を打つA。
特に何を言うわけでも無く、テキパキと料理をしていて。
綺麗な髪の毛がハラハラと背中で揺れて、その横顔から長いまつ毛と、高い鼻だけが見える。相変わらず見惚れるほど綺麗。
中学の時から、こうやって料理をしているAを後ろからぼーっと見つめては、Aとの空気感の居心地の良さにそのまま寝落ちしてたんだっけ。懐かしい。


そんなAを見て、色々思い出して、ニヤニヤしてしまう俺。
やっとの思いでアウターをハンガーにかけて、手を洗いながら

「かわいー…好き…」

と独りでに呟いた言葉に、「ん?」と自分で驚く。

俺今、ナチュラルに好きって出たよね。
やっぱり俺ってAの事好きだよね。
思い出に浸ってとかじゃなくて…今、今、俺…


洗面台の鏡に映る俺を、恐る恐るチラッと見たら、頬も耳も指先も、全て綺麗なモモ色に染まっていた。

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minmin(プロフ) - 花子さん» 毎度コメントありがとうございます!喜んでいただけて嬉しいです! (2022年3月19日 0時) (レス) @page43 id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
花子 - うわあああ(TT)♡♡♡もう今回ばかりはこの興奮を文字に表せません。いつも語彙が壊滅的ではありますが(笑)兎に角最っ高です(TT)♡ (2022年3月18日 20時) (レス) @page42 id: 6a4a78fe0e (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 花子さん» 男らしい部分とのギャップ感じていただけで嬉しいです! (2022年3月18日 16時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
花子 - 半袖姿を想像してにグッ。ときちゃいました(^^)♡この3ヶ月がどんな3ヶ月になるのか考えただけでドッキドキです!更新有り難うございます♡ (2022年3月17日 20時) (レス) @page40 id: 6a4a78fe0e (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 花子さん» LINEはこだわって書いてるので嬉しいです^_^ (2022年3月17日 10時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:minmin | 作成日時:2022年2月26日 1時

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