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「うん。てか、小学生頃からずっとAのこと好きだった」
大介は、私が初めて見るような顔をしてそんなことを言う。
「か、揶揄うの辞めてよ」
「揶揄ってないよ。本気」
私の顔を覗いて、不思議とさっきよりも近くに寄ってきている大介から、柔らかい香りがする。
大介今、本気…なんだって、長年一緒にいた感覚で何となく分かる。
私が大介のことが好きだった時より、前から大介は私のことが好き…?
不思議と、理解できないようで理解できる。
まさか、大介が私のことそういう目で見てると思ってなかったから、辻褄が合わなかった今までの行動も、今の発言で全て辻褄が合うし。
でも、今言われても遅い。
私は今、大介のことが好きじゃないし、大介も“好きだった”訳であって、今は私のことが好きじゃない。
大介の膝に置かれた手が、ゴツゴツしていて大きい。綺麗な瞳も、鼻筋も、唇も、全部が違うのに、あの時よりも男を感じて、心臓が揺さぶられて、
…なんか私今イケナイ気持ちになってない?って、それは大介もじゃない?って、何となく感じて。
「私も好きだったよ」
言おうかどうか迷ったけれど、あの時の私が聞いたら喜ぶだろうし…って、柄にもなく過去に縋り付いて、するすると口から言葉が出てくる。
「まじ?俺のこと好きだったの…?」
「うん」
「嘘じゃん」
「なんで私のは信じてくれないのよ」
「だ、だってA、俺のこと興味無さそうにしてたし!」
「それは大介も同じじゃん!…大介との関係性が変わるのが嫌だったの」
私が言えば、大介はキョトンとした顔をして「え、ええ」と、まだ事態が飲み込めないとでも言いたげだ。
そして、食い入るように私の顔を見つめるから、「やめて」と慌てて逸らす。
そんな私を見て「目逸らさないでよ」と、大介は私に小さく言って。
いつからそんなに余裕のある男になったの?って聞きたい。
「俺が告ったらどうしてた?」
こんなに長い間友だちをやっていたのに、初めて流れる甘い空気に息が詰まりそう。
「…付き合ってたんじゃない?」
水面から出て息をするように、私は苦し紛れに言う。
心臓はドキドキとうるさい。
大介は眉間に皺を寄せて「ねぇ」とまだ何か言いたげだ。
「Aって今彼氏いんの?」
「結婚はしてないよね」と付け加え、チラリと私の左手の薬指を確認した大介。
ナチュラルに触れられて、ドキッとする。
「彼氏いないよ」
私の言葉に、大介は私を上目遣いに見上げた。
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minmin(プロフ) - 花子さん» 毎度コメントありがとうございます!喜んでいただけて嬉しいです! (2022年3月19日 0時) (レス) @page43 id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
花子 - うわあああ(TT)♡♡♡もう今回ばかりはこの興奮を文字に表せません。いつも語彙が壊滅的ではありますが(笑)兎に角最っ高です(TT)♡ (2022年3月18日 20時) (レス) @page42 id: 6a4a78fe0e (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 花子さん» 男らしい部分とのギャップ感じていただけで嬉しいです! (2022年3月18日 16時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
花子 - 半袖姿を想像してにグッ。ときちゃいました(^^)♡この3ヶ月がどんな3ヶ月になるのか考えただけでドッキドキです!更新有り難うございます♡ (2022年3月17日 20時) (レス) @page40 id: 6a4a78fe0e (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 花子さん» LINEはこだわって書いてるので嬉しいです^_^ (2022年3月17日 10時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:minmin | 作成日時:2022年2月26日 1時