プラトニック 1 ページ5
Aside-
『乾かしてあげるよ』
って結構近い耳元で言われてゾクっとする。
気持ち悪いのゾクっじゃなくて、反対のやつ。
いいです、って断ったけど、”早くしてほしいんだもん”なんて言われるとどうもこうもできない。
鏡を見ると隣人と目が合いそうだから、俯いてドライヤーの音が止まるのを待った。
結構温風が強めの隣人の家のドライヤー。
それなりに音もでかい。
人に触られているとどうして眠くなるんだろ...
美容室のシャンプーでうとうとしちゃうように、隣人のドライヤーですら眠くなってしまう。
『..........』
隣人が何か呟いたように聞こえて鏡をチラっと見てみた。
けど、黙って私の髪を乾かしている。
気のせいか...
まるで同棲している彼氏に髪を乾かしてもらっているような気持ちになる。
少し浮かれる気持ちと同時にジウォンさんはこうしていつも隣人にやってもらってたんだろうか、と思うと少し複雑な気分になってしまう。
単純にいいなって思ってしまう。
あれほどのキスをした事でそれより先にいけなかった事よりも、ずっとこっちのほうが羨ましい。
もしかしたら一緒にお風呂も入っていたのか、だとか毎朝隣人のネクタイをしめてあげていたのか、とかドラマで見るようなシチュエーションを隣人としていたのかなって思うとすごく羨ましい。
パチっと音がして隣人のドライヤータイムは終わった。
『はい、おしまい』
そう言いながら私の髪に細長い隣人の指が両サイドから絡まって手ぐしで綺麗に整えられる。
「慣れてるんですね」
ちょっと嫌味たっぷりに言った。
別に彼氏でもない隣人に。
『ふふ、慣れてちゃ嫌だった?』
ドライヤーのコードをぐるぐる巻きながら意地悪に微笑む隣人。
「まぁ...ちょっとだけ嫌でした」
『じゃあこれが最初で最後だね』
隣人はそうやって距離を置こうとする。
散々近づけて、甘くして、トンっと離される。
「そうじゃないかもしれない」
ムキになって答える。
『寝室で先に横になってていいよ、疲れてるでしょう?』
私の言葉には返事をせず、寝室に行くことを促す隣人。
ガチャっとドアを開けそこから黙って出ようとした。
『Aちゃん...』
「はい」
不意に名前を呼ばれて振り向く。
すごく面白くなかった。
別に彼氏でもないのに期待してる私もどうかしてるけど。
”傷つくことには”
”慣れたふり”
『おやすみ』
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このみ - すごく面白かったです!最近モンエクペンになったのですが、もっと好きになりました!更新お疲れさまでした!これからも頑張ってください!! (2017年11月12日 11時) (レス) id: 0ab0aad734 (このIDを非表示/違反報告)
おん - 感動をありがとうございましたすっごく面白かったです (2017年9月25日 9時) (レス) id: 7121d0579b (このIDを非表示/違反報告)
まなな - すごく良かったです(泣)すこし自分と重なる部分あったので、共感しぱなしです!!また、違う作品楽しみにしてます(σ≧▽≦)σ (2017年9月23日 11時) (レス) id: 000918fc8e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - あおんさん» こんばんは!モンエク好きになりはじめたばかりだなんて!嬉しいです!モンエク是非もっと好きになってください( ; ; )私なんか好きになりすぎて妄想ヲタクになっちゃいましたから!(笑) (2017年9月23日 0時) (レス) id: 8f19cb71fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - めばえさん» こんばんは!嬉しいコメントありがとうございます!blue moon自体お店の名前が思いつかなくてもねくの曲から選んだんですが、結果マッチしていてよかったです☆あと、お褒めの言葉勿体無いことばかりで( ; ; )ありがとうございます! (2017年9月23日 0時) (レス) id: 8f19cb71fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうな | 作成日時:2017年7月1日 0時