授業参観・ ページ35
今日一日、イザナくんの元気が無いように見える。
『ねぇ、何かあったの?』
「んー、別に。授業参観だりぃなぁって。ま、俺親来ないから関係ないけど」
そうだ、今日は授業参観だった…すっかり忘れてた。
お母さん来るかな、一応言ってはおいたけど仕事と重なっているかもしれない。
イザナくんは近くの男子に目をやる。
どうしたんだろう…と会話を聞いていると、徐々に見つめている理由が分かった。
「うちの親派手だからなぁ」「化粧濃すぎ」などの会話をしていたからだ。
「親が老けてるだとか、私服が派手だとか、厚化粧で恥ずかしいだとか。
そんなこと言ってられるガキは幸せだよな」
彼にとって親の話題は気分のいいものではないらしい。
_____
いよいよ授業が始まった。
普段は教科書に落書きをしている人たちも、この日ばかりは真面目に取り組んでいる。
「Aちゃーん」と小声がすると思えば、後ろの方で母がそっと手を振っていた。
隣の男子が「ママー!大好き!」と大きく振っているのを見て“ちょっとくらいは…”と思い小さく振る。
スーツを着ているので、仕事の合間を縫ってわざわざ来てくれたのかもしれない。
そう思うと授業のやる気が出てきて、再びシャーペンを強く握った。
と、その時
「イザナー!来てやったぞ!!」という声が聞こえてきたのだ。
戸惑いながらも振り向くと…真一郎さんの姿が。
『あれ、イザナくん真一郎さん呼んだの?』
「訳分かんねぇ…何来てやがるんだよ」
驚きながらも少し照れている彼が少し可笑しい…。
_____
授業が終わった後、私とイザナくんは真っすぐに真一郎さんへと向かっていった。
「真一郎!何勝手に参観来てんだよ」
「仕事の都合でこっち来ててな。
ついでにイザナの授業態度見ようと思って学校忍び込んだら、たまたま授業参観だったんだ」
忍び込むとは…今はバイク好きの好青年という感じだけど、たまに元ヤンと感じる瞬間がある。
「あと、イザナ最近手紙よこしてくれねーの。多分反抗期。
Aちゃん、色々大変かもだけどコイツのことよろしくな」
『はい…!』
返事をしたら、くしゃりと頭を撫でられた。
やっぱり“兄弟”だからなのかな、私、真一郎さんに撫でられるのも好きだ。
久々に心温まる出来事だった。
511人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マンさん» ありがとうございます!楽しみにして下さるなんて嬉しいです(*‘ω‘ *)他のお話も時間があるときに更新していこうと思ってますので、是非よろしくお願いします!続編も近々上げる予定ですので、これからも頑張って続けます…! (2022年9月3日 22時) (レス) id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
昼夜逆転マン - すいません。見るの遅くなりました!凄く良かったです!ずっと続きを楽しみにしていたので見れてうれしいです!本当に大好きです!ほかのお話も見させていただきます!これからも頑張ってください! (2022年9月3日 14時) (レス) @page48 id: b028cbeeeb (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» コメントありがとうございます!好きーーーーーーのお言葉嬉しいです(*ノωノ)あともう少しで続編作りますのでお楽しみに!頑張ります…! (2022年8月27日 11時) (レス) @page46 id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
昼夜逆転マン3 - ちょっと、急ぎの用事があって時間がないので、感想を短くまとめます。 すきーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!! これからも頑張ってください! (2022年8月26日 23時) (レス) @page46 id: c03225e7d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» コメントありがとうございます!確かに依存してますね…。実はもうオチは決めているのですが、パート3を作らなければ完結できそうにありません(^-^;更新頑張ります! (2022年8月21日 14時) (レス) @page44 id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆあめ | 作成日時:2022年4月27日 21時