ヒルガオ ページ3
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不倫もの。
閲覧注意。
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『ん、綺麗』
「ふふ。勝利くん、早く」
『ん……』
土曜日の昼。
学校に補習に行く、
なんて制服を着て家を飛び出して。
1軒の家にたどり着く。
見慣れすぎたそこは、僕の恋人の家。
けれどけしてくつろげる場所ではない。
だって。
「遅かったね」
『うん…今日あの人何時に帰ってくんの？』
「今日は飲み会、だって。」
ここに住むのは彼女だけじゃないから。
『早く別れればいいのに』
「勝利くんがいてくれれば私はそれでいいの」
『なら尚更…』
「ね。帰ってくる前に。しよ？」
そう微笑む彼女には、結婚した旦那がいて。
普通に仲もいい。
不満もなさそう。なのに。
制服を着た、僕にも彼女は愛を求める。
『わかった』
世にはこれをなんて言うのか、なんて。
そんな恐ろしいこと考えたこともないけれど。
重なった唇。
彼女によって、脱がされるシャツ。
悪いことは全部、この人から教わった。
いいんだ。僕だって貴方だって本気だから。
彼女は、本気で僕も旦那も愛してるのだから。
そう。思い込もうとはしてみるけれど。
「んん…はぁ、」
『僕に集中して』
「でも」
時々、耐えられなくなるんだ。
愛を確かめ合う途中。
どこか上な空な彼女。
旦那からの電話。
取らせる気なんか、ないけど。
「ん、電話…」
『……あの人のことなんか忘れてよ』
彼女は、いとも簡単に僕から逃れようとする。
それが悲しくて、
悔しくて、どうしようもなくて。
ずっとずっと。2番でいいと思ってた。
他に相手がいようとも。
僕を好きでいてくれるならそれでいいと思ってた。
けど。
『僕が…一生大切にしてあげる。守ってあげるから。』
やっぱり、もう2番じゃ足りないよ。
貴方の笑顔を見る度好きになって。
この感情を抑えていられなくなる。
『僕を、選んで』
だから。
ひとりじめさせてほしい、なんて。
そんなに簡単じゃないなんて。
そんなの僕にだってわかる。それでも。
貴方だけは離したくないんだ。
「だめ……勝利く、」
『全部僕のせいにして…』
ほら。いつもみたいに。
制服なんか着てる僕を子供扱いして。
しょうがないなぁって許してよ。
ねえ。僕の、最初で最後の我が儘を許して。
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作者名：柚綾.。 | 作成日時：2016年11月11日 0時
