甘い ページ20
.
翔太先輩にキスされて
気付いたら走ってた
って泣きながらも
伝わるようになんとか、話した。
そしたら
「びっくりしたな？」
って
ちっさい子をなだめるように
和也が優しく笑った
「会いたかったの…うっ…」
いまは
憧れの先輩にキスされて
怖くてショックだったことよりも
和也に会えたことの方が
おっきくて
「ふふ、そんな会いたかったのね」
だってぇ…って
私が喋ろうとしたら
「喋んなくていいから」
言ってずっと抱きしめてくれた
涙が落ち着いて来たら
睡魔が私を襲って
「ん…カズ…ねむたいよ…」
和也の胸に頭を預けながら
どんどん意識が朦朧として来て
「お前さぁ…」
って和也が
困ったように私を見つめた
「もう俺以外の男とお酒飲むなよ」
「ん…？どして…？」
急におかしなこと言うから
首を傾げて
また和也に
ぎゅうって抱きついた
そしたら
困った、今日のお前。甘いわ
そう言って私を
ベッドに連れてってくれた
お布団をかけてくれて
和也はどこかに行こうとしたから
「ダメ…」
今はずっと
和也がそばにいて欲しくって
和也のスウェットの裾を引っ張った
「トイレもだめ？笑」
言って困ったように笑うから
黙ってトイレに行く和也の後ろ姿を見てた
「大好きな和也くんが戻って来たぞー」
そう言って和也が
私の横に寝っ転がった
「ん…カズナリ、スキ…」
私がちっさく呟くと
ちょっと間を開けて
「お前、酔いすぎ」
って頭をくしゃくしゃって撫でた
酔っ払ってると
いまならなんでも和也に言えちゃう気がした
「和也…」
ぎゅうって抱きつくと
「 ん。 」
ってすぐ近くで声がした
上を見ると
和也の唇が見えて
翔太先輩とのキスが
フラッシュバックして
頭がガンガン痛んだ
思わずその痛みに
ぎゅぅって目を瞑ると
そっと、
あったかいのが唇に触れた
目を開けると
暗闇の中でも
和也の顔がドアップで見えて
顔がカァッと熱くなった
ドキドキしたけど
嬉しかった
そのまま
和也にぎゅうってされて
あったかい気持ちで眠りについた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 132人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：べに | 作成日時：2016年12月22日 20時
