敵わない【ダイヤのA】《小湊亮介》

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「そろそろ切るね」


『えー』


「明日も早いんだから寝るよ」


『んーわかった』


おやすみ、と言って電話を切る。

名残惜しいけど、また明日会えるから。

…なんて自分に言い聞かせる。





倉「あ、りょーさん」


「おはよう、倉持」


朝練があるため、着替えてグラウンドに出る。


『あ、亮介』


「え？」


声がした方を振り向くと、
まぁ会いたい人がいたわけで。


「何でいんの、A」


『もうすぐ合宿だから、
早めに準備しとこうかなって』


「早すぎでしょ。
合宿なんて2週間も先だよ」


バカなの、こいつ。

まぁ頭は良いほうだけど。


『あははっ、ほんとは亮介に会いに来たんだよ』


「へー、俺は別に会いたくなかったけど」


『またまた〜』


ほんとはすごく会いたかった、なんて。


「せっかく来たんだから、タオルとか準備してよ」


『そのつもり』


Aは部室へと向かう。

でも俺はAを引き止める。

あれ、なんで。


『どしたー？』


あー、ほんと可愛い。

俺、けっこう溺愛してるかも。

そして、抱きしめる。


『甘えん坊りょーすけ』


「うるさい」


『さぁ離しましょー』


「ちっ」


『舌打ち!?』


あーあ、離したくない。

ずっとこうしていたい。


『もうおしまいね、仕事してくるー』


行っちゃった。


倉「朝からすげー」


御「さすがりょーさん」


「お前らうるさいよ」

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