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「A。」
はじめに呼ばれて部屋に行ってみればチャカを持たされる。
『これ、』
「明日は持っていけ。」
そう言って渡されたチャカは私が梵天に入る前に使っていたもの。
「お前が紅か」
そう、私は紅(くれない)と呼ばれていた。孤児だった私を育てたのは山口組という大きな組だった。輩に育てられた子供がまともに生きれるわけがない。私に教えられたのは、騙し方、銃の使い方、男の落とし方だった。感情なんてあるわけが無い。人間としても扱って貰えないところで育てられて、ボスを親だとも思った事もなかった。
そんな矢先に梵天とぶつかった。
呆気なくやられていく組の人間に可哀想とも思えない私が可哀想なのだろうか。
そして私だけが残り梵天のボスであろう人に銃を突きつけられた。
『…。』
「マイキーさっさとスクラップにしちまいましょうよ！」
ニタニタと口元に傷が入ったピンクの人が言う。やっと死ねるのか。私は心底開放された気持ちだった。
「何を笑っている」
『はは、、やっと開放される。早く殺.してよ』
「怖くないのか」
『怖い…？私もたくさん人を殺.した。そんな事思える立場じゃない』
「…。」
「うちに来るか」
『…』
そう言った梵天の首領の顔は懐かしい顔を思い出させた。そうだ、、私には兄がいた。いつも手を引っ張ってくれた優しい兄だった。
「A！！兄ちゃんが守ってやるからな！」
これはいつの思い出、？枯れてしまっていたはずのものが目から溢れる。
この世界は残酷でそんな優しい人も殺される。そうだ、私の家族を殺.したのは、、、
「三途。連れて行け。」
「マイキー、ですが、」
「連れて行け」
「っす。」
私は梵天に拾われた。
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作者名：ユナ | 作成日時：2022年8月31日 3時
