じゃがいも王子ふっかさん (ページ34)

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無事にバイト先が閉店し、深澤農園で働き始めて1ヶ月程経ち仕事に慣れた頃。
今日から、ふっかさんの家にお邪魔することになりました。

うん。めっちゃくちゃ緊張するよね。

いつも通り仕事を終えると

「よしっ！Aちゃん。俺らの家に帰りますか！！」

いつも以上に、気持ち悪いぐらい笑顔なふっかさん。１人で鼻歌とか歌っちゃってるよ

「ふっかさん。めっちゃ嬉しそうだね」

「そりゃそうでしょ。自分の好きな人と一緒に暮らせるんだよ？
喜ばない人なんていないでしょ」

ふっかさんへの気持ちが恋だということを知ってから、ストレートにそういうことを言われてしまうと素直に照れてしまう

あー、これから心臓持つかな。
今からドキドキしちゃってるよ。

「でもさ、もしね。万が一Aちゃんが俺のこと嫌いになったり、仕事辞めるってなって家出て行く時が来たら、俺マジで泣いちゃうから。そういうのはやめてね笑」

なんとなく悲しそうな顔でそういうふっかさん

大丈夫だよ。私の気持ちが変わらない限り、家を出ていったりしないし、ふっかさんの側から離れないよ。

この想いを伝えられたらどれだけ楽になるだろう。

「………今のところは、そういう予定ない」

「そっかー！ならよかった」

そう言って頭を撫でてくれるふっかさん。

ふっかさんごめんね。これが今の私の精一杯。

神様お願いです。私にあと少しだけ、本当少しだけでいいから素直になれる勇気をください。

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