【北信介】北くんと、

＊ ポッキーの日。 ページ8

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11月11日。




ポッキーの日などと呼ばれるこの日。


一応「ポッキー＆プリッツの日」なので、プリッツも忘れないであげて欲しい。


…まあわたしもポッキー派だけど。









「Aが菓子食うとんの、珍しいなあ」


『スーパー行ったら安かったから』









たまたま見かけてなんとなく購入。


たまに食べるとより美味しく感じるというか。




北くんもいる？と訊くと 1本だけ貰うわ、と袋から摘み出して口にくわえた。









「…これ前に侑と治が食うとったわ」









ポキポキと良い音をたてながら もぐもぐ口を動かす北くん。




まあ学生のときのことだし あの兄弟ならお菓子も好きだろうし。特別な話でもないのにどうしたのだろうと 話の続きを黙って聞く。









「こことここをな、二人でくわえて同時に食べ進めんねん」









北くんが袋からポッキーを出して両端を指さす。









『…それって、』









" ポッキーゲームじゃないの "









わたしが口を開く前に、北くんが摘んでいたポッキーをわたしの口の中に入れる。









「…やってみるか？」


『……ふぁっ、』









妙に艶やかな表情の北くん。




ポッキーをくわえて 確実に間抜け面なわたし。









「…ふ、冗談や。食べ物で遊んだらあかんで」


『なっ…！』









北くんはくすりと笑ってわたしの頭を撫でると 立ち上がってキッチンの方へと行ってしまった。




…くそ、また北くんに裏切られた。









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