* 宮 侑 ページ20
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『あつむー、さむいー』
「あーほら、服引っ張んなや」
早朝、二人で暖かい布団の中。
ランニングに行こうとする侑をわたしは引っ張って必死に止めようとしている状況。
いつもなら、バレーに対しては誰にでも厳しい彼の邪魔をすることは無くて。
朝からランニングに出てしまうのも、練習や遠征で家を空けるのが多いことも 黙って見ていた。
そうなだけに、いきなり子供のように駄々を捏ねだしたわたしを見て 侑は動揺しているようだった。
「…どないしたん、急に」
『なんでもないけど』
「けど?」
うう、と言うか言うまいか悩んでいるわたしを撫でて「ちゃんと言うて?」と優しい目を向ける侑。
『…ちょっと寂しくなった、だけ』
たまらず侑の胸に顔を埋めると、後ろ頭を大きな手が撫でる。
「あーそう、…そうか」と もにょもにょ何かを呟いた侑は、わたしをぎゅっと抱き締めた。
「…んー、いつもより早く帰ってきて、ちゃんと構ってやるから。…それで許してくれへん?」
普段よりも弱々しい掠れた声。
そこで今日はランニングをやめるだとか、オフにするだとか言わないところが彼らしい。
それでも わたしのためにちょっとでも気を回してくれるだけで、わたしには充分だった。
『…許す。ちゃんと早く帰ってきてね』
「おん、任せとき」
侑はわたしの額に柔らかく唇を落とすと、ベッドを出て行った。
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( ここで彼女残して走りに行く俺も俺やけど )
( それを許してまうお前も大概やで )
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しもこ - ごめんなさい書くところ間違えました (2020年5月22日 1時) (レス) id: 242f11c553 (このIDを非表示/違反報告)
しもこ - 可能なら角名くんお願いします!好きです (2020年5月22日 1時) (レス) id: 242f11c553 (このIDを非表示/違反報告)
ところねん - あああ北さんやばいようううう (2020年5月16日 2時) (レス) id: 60873799bf (このIDを非表示/違反報告)
。 - もし可能でしたら、照島くんお待ちしてます... (2020年2月16日 13時) (レス) id: 677789c7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ジンベエザメ - いやー青春だねぇ…甘酸っぱ リクエストで古森くんできますかね?井闥山の (2020年2月16日 13時) (レス) id: b58d786d51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月埜 | 作成日時:2019年10月18日 21時