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* 瀬見 英太 ページ18

.









『…ねーせみせみ。せみなんだからもう少しあったかくしてよ 寒くてしんじゃうよ』


「俺は蝉じゃねえし 蝉だからって気温上げられるわけじゃねえんだよ。黙ってこれ着てろ」









寮の男女共同スペース。私たちは隣同士で座って その日あったこととか他愛もない会話をするのが日課。


共同スペースには暖房やストーブなんてものはなく、寒いを連呼する私に見兼ねた瀬見は自分のジャージを脱ぐと 私に手渡す。









『彼ジャー!せみせみおっとこまえ!』


「そのせみせみってのやめろ」









私を軽く睨むと 瀬見は手元のスマホに目を戻す。


私は瀬見が手渡してくれたジャージに袖を通しながら、せみせみは駄目かあ、と呟く。









『じゃー、えーたくん?』


「は?」









首を傾げてそう言うと 割とガチめのトーンで は?と言われ、また駄目かあ、と再びあだ名を考える。









「…や、駄目じゃねえけどさ」









瀬見はスマホで口元を隠しながら 私が着ている瀬見のジャージの裾を引っ張る。









「…その格好で、その呼び方は反則だろ…」




『…へ、』









あまりにも弱々しくそう言うものだから、なんだか胸がきゅんとしてしまってうずうずする。









『英太、英太くーん』




「っあー、クソ」









「お前、からかってんだろ」









瀬見は立ち上がると 私の頬をするりと撫でる。


上を向かされて いつになく熱っぽい彼の視線に捕まれば、もう主導権は彼のもので。









『…っん、む』


「んっ…は、」









上から降ってくるいつもとは様子の違うキスに 頭がくらくらする。心臓はばくばく、撫でられた頬は熱いくらいで。


瀬見についていくのが必死で 彼のシャツにしがみつけばそのままがばりと抱き締められる。









「…まだ寒いか?」


『……あつい』









.









( あー、余裕ねえな、クソ )


( ベタなことに何照れてんだよ 俺…っ )

* 川西 太一→←* 二口 堅治



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作品ジャンル:アニメ
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しもこ - ごめんなさい書くところ間違えました  (2020年5月22日 1時) (レス) id: 242f11c553 (このIDを非表示/違反報告)
しもこ - 可能なら角名くんお願いします!好きです (2020年5月22日 1時) (レス) id: 242f11c553 (このIDを非表示/違反報告)
ところねん - あああ北さんやばいようううう (2020年5月16日 2時) (レス) id: 60873799bf (このIDを非表示/違反報告)
- もし可能でしたら、照島くんお待ちしてます... (2020年2月16日 13時) (レス) id: 677789c7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ジンベエザメ - いやー青春だねぇ…甘酸っぱ    リクエストで古森くんできますかね?井闥山の (2020年2月16日 13時) (レス) id: b58d786d51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月埜 | 作成日時:2019年10月18日 21時

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