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同月、教室にて ページ14

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ある日を境に、複数人の女子から稀に観察されるような視線を感じるようになった。


不快だとまではいかないが どこか居心地が悪い。


様子を伺えば、視線の主は内田と仲の良い女子ばかりやった。席の近いそのうちの一人に声を掛ける。









「どうしたん、北くん」


「…内田は、大丈夫やろか」









窓側の席に目をやる。練と話している最中の彼女は やはりすっぽりと何かが抜けてしまったような力の無さを感じる。


数日前、彼女の告白を断ってからずっと。ふとした瞬間に彼女の表情が陰るのを見ていた。その原因が俺なのは確かだった。









「大丈夫も何も、Aふったんはあんたやろ?……あ、いや」


「…なんや?」




「…ほんまは、Aと付き合いたくないからふったんとちゃうんやね」


「……なんでそない思うん」









彼女は意地悪く口角を上げた。頬杖を付き、空いた方の手でくるくるとペンを回す。









「女の勘っちゅうやつ。にしても北くんも狡いことするわ」


「後悔してへんで、俺は」


「……A泣いとった、って言うても?」


「…おん」









そこでそないな話をしてくるお前も、充分狡いと思うけどなあ。俺が内田に弱いんは、もうお前もわかっとるやろうに。









左腕の時計に目をやると、俺は席を立った。次の授業は移動教室だ。


前方ドアから廊下に出ると、その後ろから内田が出てきた。そのまま少しの間を空けて隣を歩く。


彼女はちらりと横目で俺の存在を認識すると、歩くスピードをほんの少し上げた。


俺の前を行く彼女の友人の隣について、またいつものように緩く笑う。




彼女とのこの距離は、俺自身が作り出したもんや。彼女の告白を断ったことを考えれば当然のことなんやろうけど、やっぱり。


寂しいと思ってしまうんは許して欲しい。




俺が自分で思っとったよりもずっと、俺は内田のことが好きやったみたいやから。









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九月、渡り廊下にて→←五月、体育館裏にて



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はやみこ - 北さん…かっこいい!とても素敵なお話でした。 (2020年5月24日 12時) (レス) id: d7eec8a8e8 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - えええ、大耳くん???それは意味深だよぉぉ。君も素敵な男やなぁ。これぞ甘酸っぱいお話ですね。誰かの恋の裏には言い出せもしない失恋が隠れてるのかな何て勝手に想像してしまいました。 (2020年4月30日 23時) (レス) id: 8c1d6118a6 (このIDを非表示/違反報告)
氷水(プロフ) - うわあああ…たまたま見つけて読んでしまいましたが、とても素敵でした…素敵な北くんのお話をありがとう… (2020年3月26日 1時) (レス) id: b2d8d7cb3b (このIDを非表示/違反報告)
an20080321(プロフ) - もうさいっっっこうです!!素晴らしい作品ありがとうございました、、!! (2020年3月12日 21時) (レス) id: ee660bdd63 (このIDを非表示/違反報告)
月埜(プロフ) - ありすさん» ありすさんはじめまして、ありがとうございます...!!この作品で少しでも多くの方に北くんをもっと好きになって下さったら嬉しい限りです。コメントありがとうございました!! (2020年2月25日 22時) (レス) id: d1ca7a883a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月埜 | 作成日時:2020年2月14日 22時

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