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葉書三枚 ページ4

 パチリ、と目を開ける。

其処は職場の机であった。


 腹部に不思議な違和感と頭がクラクラするのを除いて、特別可笑しな処はない。
 



否、

あった。



 臀部(でんぶ)(つまりはケツ)に伝わるジワリ、とした(いや)な感触と脚の付け根にある微かな痺れを感じる。






 海堂Aは凡て(すべて)を悟った。


溢れてくる涙とやるせない感情を如何する事も出来ない。



 こんな自分が情けないし、不甲斐なかった。






「...また、やってしまった」



 もしかしたら道は変えられたのかもしれない。







嗚呼、せめて。



せめて!




眠りに落ちる前に確認していれば、或いは―――。







 目の前の現実を否定しようと腰を浮かせる。


椅子のカバーに手を這わせた。





 じわり、と濡れた布に手が触れた。



最悪なことに私の勘は当たった。

当たってしまった。



「畜生…っ!」


 私の肉体ごとスーツに穴さえ空いてなかったら――。




誰かに責任を押し付けても、結果が変わることなんて無いけれど(あのチンピラは呪う)。




恐る恐る濡れてしまったであろう指を目の前に持ってくる。



あぁ、と溜め息が漏れた。

再び視界がぼやける。




歪んだ視界からでも見えてしまう、赤い色が現実なのだ。







 此れを洗うのにいくらかかるだろう、とふらふらする頭で考える。




 そんな事よりも、今しなければならない事は二つ。


一つ目、違和感を抱える腹部とくらくらする頭を如何にかする。




 ―――つまり、腹が減った。







二つ目、汚れた椅子のカバーを洗う。



 大きく息を吸い込んで叫んだ。






「何で私は止血をしなかったんだろうねえ!!?」



すっかりカピカピになってしまったスーツを見て、頭を抱える。




 モヤシ?


いいえ、当分私のご飯は水です。



------キリトリ線------

キャラが、キャラが出ないぃ…っっ!!


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ハロ(プロフ) - 面白いです(*'▽') 更新頑張ってください!! (2019年10月13日 19時) (レス) id: d9c85b7b29 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まる x他1人 | 作成日時:2017年3月28日 17時

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