葉書二枚 ページ3
「乱歩さんじゃないですかー!!」
腰のポーチからチョコ、飴、煎餅などを彼に差し出す。
「うーん…仕方なひははほあっへあえおう」
仕方ないから貰ってあげようって云いたかったんですね分かります。
途中で食べ始めちゃったんですね最高です。
「可愛いですね有り難う御座いますっ…」
感激の涙流すしかないでしょ此れは(真顔)
あっ鼻から赤い絵の具が!やったね絵の具代がタダだよ使わないけど!!
「美味しかったよ!残りは探偵社に着いてから食べようかな。処で君、仕事は?」
え?
わ す れ て た
現在時刻―――9:06と理解する。
嗚呼、
なんなら今日の昼飯でさえ危うい。
正直其処の地面に生えている草でも食べてしまいたい。お腹壊すからやらないけど。
「仕方ねえなぁ!!?」
自暴自棄になって叫ぶ。
それから『位置について、用意』のポーズをとった。
キィィと古びた扉の軋むような音を立てて薄緑の文字が周りに浮かぶ。
―――――異能力、領域!!
全ては、未来の私の食糧のために。
走り続ける私の胃袋がキュルリと返事をした。
***
ハイ到着―。
私の勤務先は此処、ヨコハマにおいて最大級の郵便局である。
鼻が高いよね私は下っ端だけど!!
海堂は遅刻常習犯だから出世しないのだ。
静かに自分の仕事机に歩く途中、不意に視界がグニャリと歪んだ。
ああ、
何でだっけ…
「…あっ、そうだ銃で撃たれたんだった」
今更のように太腿がジンジンと痺れてきた。
貫通した訳でもないので未だ弾は脚の中に埋まっている。
仕方ない、と指で抉るようにして弾を取り出す。
海堂は運動能力と同様に回復力も高い。
「…ああ、お腹すいたなぁ」
スーツも駄目になっちゃったし、とぼやく。
今時のお洒落じゃ済まされないんだなあ、此れが。
今月のご飯は如何やらモヤシになりそうだ。
ポーチのお菓子?あれは天使(乱歩さん)にあげる奴だから。
「お肉食べたいなあ」
数秒後にはすやすやと規則正しい寝息が聞こえてきた筈だ。
***
その後スーツは勿論、椅子にまで血の被害は及び、洗濯の際に泣きをに見る羽目になったのは云うまでもない。
如何して私、クビにならないんだろう?
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ハロ(プロフ) - 面白いです(*'▽') 更新頑張ってください!! (2019年10月13日 19時) (レス) id: d9c85b7b29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる x他1人 | 作成日時:2017年3月28日 17時