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ゆっくり歩幅を合わせてくれる。
チラッと裕太を見ると何か考えてる表情をしていた。
「あのっ…裕太?」
玉「ん?」
ふっと見ると小さな喫茶店が立っていた。
私の心臓はドキドキしながらも
勇気を出した。
「…お茶して、い、い、きません?」
玉「え…ええー!?」
「だ、ダメかな?」
玉「ダメじゃねぇよ!…お茶行きます。ってか行きたい!」
勇気を出して誘ってよかった。
やっぱり、私……裕太のこと。
「いらっしゃいませ!お好きなお席にお座り下さい」
優しそうな店員さんに言われ、私達は
窓側の席に向かいあわせで座った。
玉「へぇー初めて入ったけど、雰囲気とかいいな、ここ」
「そうなんだ。…私も初めて」
やばい。緊張する。
いつも学校だけだったから。
玉「俺、何にしようかなー」
メニューを広げて、私にも見えるようにしてれた。
そんな優しさにキュンとしたのは、
裕太だから。
玉「んー。これにしよ。決まった?」
「え!あ、う、うん!決まったよ」
玉「ぷっ(笑)なんだよ、そのキョドり!」
「う、うるさい!」
笑った裕太の表情は、曇りもなく穢れもなく
綺麗だった。
「…あの、今日はごめんね」
玉「…?」
店員さんに注文して、メニューを閉じた時
私はそう切り出した。
玉「それは何のごめん?」
「今日、裕太に迷惑ばかりかけて…」
玉「それか。Aって、何でそう何回も謝るの?
俺はどっちというと″″ありがとう″″って言ってほしいな。」
「裕太…」
玉「俺は…いや、なんでもない。」
何か言いたそうな裕太に首を傾げつつ、
″″本当にもう大丈夫?″″とそう言った。
私は、″″大丈夫!ありがとう″″と謝るんじゃなくて
お礼を言った。そう言うと裕太は笑ってくれた。
「私、高校卒業したら…結婚するって言ったよね」
裕「……うん。」
「本当は、結婚したくない。
…でも、桜木財閥を守るため結婚しなくちゃいけないの」
裕「え…」
「桜木グループと相手のグループが合併するの。
でも、合併しても桜木の権利は
ほぼないとお父様が言っていた。」
裕「…うん」
「桜木の権利を握るためには、
私が相手グループに嫁いで
権利を得なきゃいけないと…そう言われた。」
本当は、この話を裕太に言うのは
嫌だった。…でも、聞いて欲しいと
素直に思ってしまった。
それは先生が言ってくれた
″″1人じゃない″″と言う言葉だった。
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作者名:椿 沙羅 | 作成日時:2018年1月12日 9時