夜兎兄妹の真ん中っ子ちゃん

第二十二訓 不穏 ページ27

Aside



江華｢A、神楽と神威は？｣



A｢買い物だよ、もうすぐ帰ってくると思う｣







マミーを不安にさせないように笑ってそう答えた



けど…



なんだろう…胸がザワザワする……









ガチャッ！！





神威｢母さんA！神楽が…！！｣









〜







A｢神威…風邪ひいちゃうよ…お家に帰ろう｣









神威は雨が降っているのに傘をささないで一人で外の階段に座っていた



私はその隣に座る









A｢神楽の怪我…重くなくてよかった。すぐに良くなるってマミー言ってた…｣



神威｢…｣









神威｢父さんに…俺は強さを履き違えているって言われた。家族を守るために他人を傷つけることは強さじゃない…。黙って殴られることも強さじゃない…。今日だって、昔父さんに言われた通り神楽を喧嘩に巻き込まないようにアイツらを無視しようとしたんだ…だけど神楽は立ち向かってアイツらに…！これも強さじゃないって言うなら強さって一体何なんだよ………………………ごめんな、情けない兄ちゃんで｣ダッッッ



A｢神威！！｣









神威はぬれた地面にぴちゃぴちゃと音をたてて走って行ってしまった









神威は強いのに



情けないお兄ちゃんなんかじゃないのに



なんでそんなこと言うの...？



分からないよ...

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