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「っ…なんか変だよ?
とりあえず中はいって?」





お邪魔しますって小さい声で呟き、玉森裕太が家の中へと入ってきた。




いつもと様子が違う玉森裕太にわたしも戸惑う。





ソファに玉森裕太を座らせ、キッチンにお茶を入れに行く。




玉森裕太にマグカップを渡したら、
「いただきまーす、あっち!!」
なんていって笑ってる。




玉森裕太の見せる様々な表情に魅せられるわたし。




ただ、なにを話したらいいかわからなくて
お互いに無言のまま5分くらい経った頃、
玉森裕太がやっと口を開いた。




「…俺、ほんと最低だったね。
Aのこと傷付けてばっかだった。」





マグカップを置いて、わたしを抱きしめる玉森裕太。




「え?大丈夫だよ。」




本当は大丈夫じゃないこともあるけど、
そんなめんどくさいこと言って嫌われたくない。




「大丈夫じゃないから、撮影の時だって落ち込んでたんじゃないの?
俺ちゃんとするから。それまで待ってて欲しい。」




「ん?なにを待つの?」




「理央とのことはもう大丈夫だと思う。
仕事が落ち着くまで待ってて。」




そういってわたしをぎゅっと抱きしめる玉森裕太。




そうか、全部お見通しなんだ。
わたしの気持ち、全部わかってるんだ。




「櫻井さんと何かあったの?」
一番気になっていたことを聞いてみた。




「んー、理央からやり直したいって言われた。
断ったけどね。」




「そうなんだ…」




「お前が俺のこと、乙女の目で見てたとかなんとかって言ってたぞ笑」




「えっ!?」




そんな目してた…!?
いやいや困る困る!!




「そんなに俺のこと好きなんだ?」




「いやっそんなつもりは…!」



玉森裕太がわたしをからかう。




「乙女の目ってなに?ちょっとこっち見てよ。」




ちらっと玉森裕太のことを見たら
「あっ今の目!乙女だったわ〜!かわいいかわいい!」
なんていってわたしの頭を撫でるから、ペースが崩れる。




「そうだ、Aのとこ泊まってっていいよね?」




「えっ!?泊まるの?!」




「だってもう23時だし〜。
Aのこと抱いて寝たい」




その一言で心臓が飛び跳ねる。




玉森裕太はわたしのこと心配してくれてたんだね。
本当に嬉しいな。





これからちゃんと幸せに向かっていくと思ってたのに…。

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作者名:えむたま | 作成日時:2020年5月26日 2時

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