春、恋に落ちて。

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前回会ってから1週間が経った。
あれから玉森裕太からはなんの連絡もない。
おとといから始まった大きな撮影ももう終盤で今日には終わるのに。




事足りているからわたしに連絡してこないのか、
それとも撮影が終わるまで配慮してくれているのか…
…多分前者だな。




ちょっと気になっている自分がいる。
連絡を待ってそわそわしている自分にも気がついていた。




撮影の空き時間にスマホを見ても、玉森裕太からはなんの連絡もない。
その代わりに綾香から［撮影終わりそう？今日終わったらパーっと行こうよ！］と連絡が来ていた。




撮影も終わるし、お酒も飲みたかったから最高のタイミングだ。




綾香に［了解！］と返事したところで
「Aさん、お願いしまーす！」とスタッフさんに呼ばれ、わたしは撮影へと戻った。




スタジオ内での水着撮影だ。




この水着撮影のためにジムで集中的にトレーニングしていたから自信を持ってカメラの前に立てた。




ソロでの撮影を終え、今度は男性とふたりでの撮影。




お互いに水着姿で軽くハグをしたり絡むといった内容。




きゃぴきゃぴした雑誌ではないのでクールに決めつつ、女性らしさを出してほしいという要望にも応える。




撮影は順調に進み、予定通りに終わった。




ふー！やり切った〜！
一気に気が抜けていくのがわかる。




今回はなかなかいい仕上がり。
自分の中でもなかなか上出来だと思う。




一仕事終えた後のお酒は最高なのよね〜
足取り軽くスタジオを後にし、楽屋までの廊下を歩いていたら




「Aちゃん！」と声をかけられた。



振り向いた先にいたのは




きらっきらの衣装に身を纏ったアイドル玉森裕太だった。

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