春、恋に落ちて。

39 Yuta side ページ39

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『好き と言わない約束』
なんて酷だったよな。




目の前で泣くAを見て、俺の気持ちも止められなくなった。




Aのことが好きだ。ちゃんと好きだ。




Aは俺のせいで傷ついてもいいんだって。
そんな風に言われて満たされる俺の心。




大事にしてあげたい。傷付けたくなんかない。




でも強欲な俺はもっと認められたい。
もっと求められたい。
この愛情不足の心を満たしてほしい。




Aのこと、俺が好きにしていいんだよね？
だって、Aは俺のことが好きだもん。




そんなこと思いながら夢中でAを抱いた。




好きだけど、付き合わない。
好きだけど、付き合えない。




俺は本当にロクでもない人間だから。
俺たちは仕事を一緒にしているから。




言い訳ならたくさん浮かんでくる。




Aの好意が俺の承認欲求を満たす。




綺麗な顔で俺のことを愛おしそうに見つめてくる。
すげえ可愛い。
もうここまできたらAは俺中毒だな笑




はー、この感じ。これが快感。やめられない。




俺に落ちた女が俺の掌で踊ってる感じ。




Aのこと、ちゃんと好きなのに。
好きなのにこんなこと思うなんて終わってるよな。





もう遊ばれたくない一心。
傷付きたくない。




だから予防線張ってるんだ。




もう俺は"遊ばれる側"じゃない。

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