春、恋に落ちて。

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食事を終えて玉森裕太の家へまた来てしまった。




「A、明日は仕事？」




「わたしは休み、裕太は？」




「俺も休み！はー休み最高〜」




そういってソファにどかっと座ってたばこを吸い始めた。




「そんなに吸ったら体に悪いよ笑」





玉森裕太の隣に座る。たばこくさいけど。




「大丈夫、iQOSだから。
吸わなきゃやってらんないもん」




「アイドルなのにいいの？」




「アイドルだって人間だし笑
あ、トイレもしないと思ってんの？笑」




わたしのことをからかうように笑ってる。
その顔すら今はわたしの胸を揺らす。




「そんな風に思ってないよ笑」




「でしょ？
俺はアイドルでAはモデルだけど、えっちしたじゃん？」




「へ、変なこといわないでよ！！」




「だって本当のことじゃーん、アイドルだってそーいう欲あるもん」




Aもでしょ？と、わたしにキスする。




最初は本当に都合が良くて、体を重ねただけ。
そういうのが悪いとも思ってなかった。




でも今は違う。
今日だってここにきたのは都合がいいからじゃない。
玉森裕太のそばにいたかったから。




他の人ともう体を重ねたくない。
玉森裕太だけでいい…




キスはどんどんエスカレートして
玉森裕太の手がわたしの服の中に侵入してくる。




このまま体を重ねたら、都合のいい関係のまま…




服の中に侵入してきた手をそっと止めた。




「んっ…なに？
あ、ベッドがいい？」




「このままじゃ…できない」




都合がいいからわたしのこと呼んだのに。
こんなこと言われて、玉森裕太はどう思うだろう。





めんどくさいと思うだろうな。
わたしの意志が弱いのもわかってるから、押し切ってわたしのこと抱くかな。




そんな風に思ってたのに




「そっか、Aが嫌ならしない。」




そういって離れて、わたしの頭を優しく撫でて微笑む。




「…もう約束守れない」




無理だ、もう苦しくて、自分の中で抑えられない。




「ん？A？」



わたしの顔を覗き込む玉森裕太。




「なに泣いてんの…どうした？」




「…き、なの…」



もう我慢できない。
嫌われてもいい、どう思われてもいい…




「好きなの…あなたのことが好きなの…」




初めて「気持ち」が言葉になって溢れた。

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