春、恋に落ちて。

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わたしから離れて
「玄関じゃあれだよね笑
とりあえず入って」と部屋の中へいれてくれた。




泣いているのも気付かれたくなくて涙を拭う。




「そこ座って〜。てか、仕事終わりだよね？次あるとかないよね？」




「うん、大丈夫」




「ねー、お腹空いてない？
俺めっちゃ空いてるんだけど」




言われてみれば空いてる。
もう夜だもんね




「空いてる」




「だよね、ウーバーしよ。」




そういってわたしの隣に腰掛けてスマホの画面を見せてくる。
さっきのキスの続きをしてわたしは帰ると思ってたから、すこしでも一緒にいられるのが嬉しい。




「何にしよっかな〜うわ、これうまそ！」




一緒に画面を見てたら彼に来るLINEとか見えちゃうわけで。




この数分でも何人かから遊ぼうってLINEが来ていた。
モテる人ってすごいのね。




「あ、てかさ、モデルさんだからご飯食べないとかある！？」




「え？あ、特に気にしないからいいよ。
撮影近づいてきたら夜は抜くけど…」




「へ〜大変だ。ね、これにしない？」




そういって玉森裕太が決めたのは韓国料理。
いいよ、と言ったら玉森裕太が注文してくれた。




「40分くらいかかるみたい。」




そう呟いて、わたしの耳元に顔を近づける。
やっぱり続きするのか。




目を閉じて待ってたら、玉森裕太がふふっと笑って





「ねえ、なんでこれ付けてんの？」





そういってわたしの耳を優しく撫でた。




「捨てていいよって言ったのに。」




「…気付いてたの？」




「バレバレだわ笑
ねえ、なんで？俺のこと忘れないため？」




はあ、ズルい。
こうなることわかっててピアス渡したくせに。




本当に、ロクでもない男。





そんな男の掌で踊らされるわたし。




でもいいんだ、上手に踊って見せるから。

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