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怒涛の撮影ラッシュを終え、わたしは玉森裕太に[いつ時間ある?ピアス返して欲しいんだ]と連絡した。
ずっとお守りみたいにつけてたものだし、なんだか左耳が落ち着かない。
決して、玉森裕太に会いたいわけじゃない。
それからしばらくして
[ピアスそんなにすぐ必要?]って返事が来た。
もしかして、ピアスを口実にわたしが会いたがってると思われてる!?
それは癪だな、てか違うし。
[別にすぐにじゃなくていいけど、ないと落ち着かなくて。]
そっけないわたし、を演じる。
[なら今度にして〜忙しいから無理]
そんなLINEがきてわたしはちょっと落ち込んだ。
そうか、忙しいのか。
ピアス本当に早く返して欲しいけど、忙しいなら仕方ないか。
[わかった。ごめんねー]と返事してLINEを終わらせた。
なーんだ、今日仕事が終わればそのあと暇だから会う時間あったのに。
なんてちょっと思ったりして。
不貞腐れたわたしは仕事を終え、綾香を誘って食事に来た。
綾香は「クラブいこーよー!踊りたい〜」なんて言っていたけど、また玉森裕太になんか言われたら嫌だし、今日は食事だけにした。
ま、体だけの関係だし玉森裕太のことを気遣う必要なんて本当はないんだけどね。
わたしも綾香も一応そこそこ有名なモデルだから、芸能人御用達の個室居酒屋を予約した。
おいしいご飯とお酒に舌鼓を打ち、話も盛り上がってきたとのころで綾香が「そういえばさ…」と話を振ってきた。
「ほら、この間玉森裕太の話したでしょ?
友達が振り回されたって。」
「あー、してたね。それがどうかしたの?」
玉森裕太の話なんか気にしてないですよって顔してみせる。
本当は気にしてる自分がいるのに。
「その子が最近また玉森裕太と会ったらしいのね。
そしたらさ、女物のピアスしてたんだって。」
「え、ピアス?」
どきっと胸が高鳴る。
「そう、Aが持ってるのと同じCHANELのピアス!それ聞いて、真っ先にAのことが思い浮かんだわけよ!」
玉森裕太がわたしの落としていったピアスをつけてる?
「あんた、玉森裕太となんかあるの?大丈夫?」
綾香が心配そうにわたしの顔を見つめる。
「玉森裕太のとこに落としてきちゃったのよ、ピアス。それかな…」
「え、もしかして玉森裕太と…」
綾香の言葉を遮ってわたしは「ない」と即答した。
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えむたま(プロフ) - nanacoさん» そうなんです分かってるのにお互いに進めないもどかしさ…!笑かわいいと思っていただけてよこったです笑 (2020年5月15日 1時) (レス) id: 2de05128ff (このIDを非表示/違反報告)
えむたま(プロフ) - たなさん» ありがとうございます!そう言っていただけてとっても励みになります(っ´:ω:`c)頑張ります! (2020年5月15日 1時) (レス) id: 2de05128ff (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - うわー(´;ω;`) 切ない……お互い好きになったのを自覚してて分かり合ってるのに(TT) ピアスを勝手に付ける玉ちゃん、めちゃくちゃ可愛かったです(//∇//) (2020年5月15日 0時) (レス) id: a7b3edb10a (このIDを非表示/違反報告)
たな(プロフ) - 初めまして!ランキングから飛んで来ました!とても面白くて、思わずコメントさせていただきました!これからも無理ない程度に更新頑張ってください♪楽しみにしています(*´ω`*) (2020年5月14日 23時) (レス) id: 634395e976 (このIDを非表示/違反報告)
えむたま(プロフ) - nanacoさん» はじめまして!コメントありがとうございます。そう言っていただけで俄然やる気が出ます。ありがとうございます! (2020年5月10日 2時) (レス) id: 2de05128ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えむたま | 作成日時:2020年5月8日 0時