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ほどよくお酒も回り、るんるん気分で帰路に着く。
いつもならマンションのエントランスの真前までタクシーをつけてもらうけど、ちょっと歩きたくて大通りでおろしてもらった。
春の陽気、夜風が心地いい。
そんなタイミングで鳴るスマホ。
ディスプレイに表示されたのは
「玉森裕太」の名前。
胸が高なったのは気のせい…?
[いま暇?]
どういう意図でそんな事聞いてるんだろう。
[暇だよ]
そう送るとすぐに既読がついた。
[ならうちに来て]
その言葉に嬉しくなる自分がいた。
続けて玉森裕太から住所が送られてきた。
[いいけど…家行って平気なの?]
芸能人なわけだし、あなたみたいな人気アイドルのスクープを狙う週刊誌とか心配なんだけど…
[平気。一応気をつけてきて。]
わたしはすぐにタクシーを止め玉森裕太の家へと向かった。
大丈夫、タチが悪いのもわかってる。
本気になんかならないから。
自分に言い聞かせ、マンションへと入った。
ついたよ、と連絡するとオートロックが解除された。
指定された階まで向かって、玉森裕太の部屋の前で深呼吸する。
_____わたしたちはお互いに都合の良い関係。
すきになんかならない。ただ欲を満たすだけ。
わたしがインターホンを鳴らす前にガチャっとドアが開いた。
「ごめんね〜来て貰っちゃって。」
ふにゃっと笑った玉森裕太がわたしの手を引いて招き入れた。
「お、お邪魔します!」
その一連の動きに驚くわたし。
その姿を見てくすっと笑って
「なに?緊張してんの?」と玉森裕太が言った。
「そんなんじゃないよ笑」
「そっか、入って入ってー。」
綺麗に整理された家の中へと入る。
「部屋綺麗にしてるんだね…なんか意外かも笑」
「俺掃除すきだから!なんか飲む?ビールとか?」
キッチンに向かおうとする玉森裕太を「飲みに行った帰りだからいい!」と止めた。
「えっ飲みに行ってたの?どこに?」
玉森裕太がソファに腰掛けながらわたしを見上げる。
「この前のクラブだよ。」
「…へー、よく今日はお持ち帰りされなかったじゃん。」
なんでそんなこと言うの?
「別にいつもそうってわけじゃないし…」
「ふーん、まあいいや。
とりあえず撮影お疲れ〜」
目も合わせずにそういった玉森裕太。
なに?怒ってるの?意味わからないんだけど…。
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えむたま(プロフ) - nanacoさん» そうなんです分かってるのにお互いに進めないもどかしさ…!笑かわいいと思っていただけてよこったです笑 (2020年5月15日 1時) (レス) id: 2de05128ff (このIDを非表示/違反報告)
えむたま(プロフ) - たなさん» ありがとうございます!そう言っていただけてとっても励みになります(っ´:ω:`c)頑張ります! (2020年5月15日 1時) (レス) id: 2de05128ff (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - うわー(´;ω;`) 切ない……お互い好きになったのを自覚してて分かり合ってるのに(TT) ピアスを勝手に付ける玉ちゃん、めちゃくちゃ可愛かったです(//∇//) (2020年5月15日 0時) (レス) id: a7b3edb10a (このIDを非表示/違反報告)
たな(プロフ) - 初めまして!ランキングから飛んで来ました!とても面白くて、思わずコメントさせていただきました!これからも無理ない程度に更新頑張ってください♪楽しみにしています(*´ω`*) (2020年5月14日 23時) (レス) id: 634395e976 (このIDを非表示/違反報告)
えむたま(プロフ) - nanacoさん» はじめまして!コメントありがとうございます。そう言っていただけで俄然やる気が出ます。ありがとうございます! (2020年5月10日 2時) (レス) id: 2de05128ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えむたま | 作成日時:2020年5月8日 0時