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都内の有名会員制クラブ。
VIPルームには煌びやかな芸能界のスターたちが入り浸っている。
会員制という安心感から芸能人たちは周りの目も気にせず、欲望のままに楽しんでいる。
わたしもその中の一人。
とある雑誌でモデルをしている。
最近は雑誌だけでなく、テレビにも出演するようになって仕事は好調だ。
仕事の疲れを癒す為に、このクラブで毎晩のように飲んでテレビスターたちと夜を明かす。
今日もまたいつものようにVIPルームで仲のいいモデルの綾香とお酒を飲みながら話していると、すらっとした背丈の男性が入ってきた。
顔を俯かせて、大きなハットを被っている。
でもちらっと見えた横顔で分かった。
「あー、玉森裕太だ。」
よくこのクラブにわたしはきているけど、彼がいるのは初めてみた。
へー、クラブとか来るんだ。
意外だなーなんて思っていたら、その後ろから続々と同じ事務所の男性たちが入ってきた。
同じモデルで飲み友達の綾香が「最高!今日は当たりの日だわ!」と目をきらきらさせている。
このクラブでは「お持ち帰り」は当たり前。
綾香は今日の相手を探すみたいだ。
わたしはそういうのが好きじゃないからパス。
それに今日はとことん飲みたい気分。
そんな「浮ついたこと」はどうだっていい。
と思ったら綾香がぐいぐいとさっきのきらきらアイドル軍団に絡みに行ってしまった。
すこし呆れながらその様子を遠くから眺めていたら、わたしの後ろからすらっと長い手が伸びてきて、シャンパングラスを差し出してきた。
「あ…」
わたしの腑抜けた声にくすっと笑って
「泡、嫌いだった?」
と声をかけてきたのは玉森裕太だった。
「あれだよね、モデルの…Aちゃん!」
差し出されたシャンパングラスを受け取ったわたしの横に座って深く被っていたハットを浅く被り直した。
「そうです、Aです。はじめまして。
玉森さんもここ来るんですね。」
「いやー、俺は付き合いで来てるだけ。あっち盛り上がってるから静かに飲みたくて」
そういってくいっとシャンパンを口に含む玉森裕太。
「俺、人見知りだからさ。
いまも初対面のAちゃんにこんなふうに話しかけてるのが信じられない笑」
「そんな風に見えないですね笑」
ぜーーーったい嘘だ、慣れてるだろうに。
「とりあえず一緒に飲もう」
そういって玉森裕太はシャンパングラスを傾けた。
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えむたま(プロフ) - nanacoさん» そうなんです分かってるのにお互いに進めないもどかしさ…!笑かわいいと思っていただけてよこったです笑 (2020年5月15日 1時) (レス) id: 2de05128ff (このIDを非表示/違反報告)
えむたま(プロフ) - たなさん» ありがとうございます!そう言っていただけてとっても励みになります(っ´:ω:`c)頑張ります! (2020年5月15日 1時) (レス) id: 2de05128ff (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - うわー(´;ω;`) 切ない……お互い好きになったのを自覚してて分かり合ってるのに(TT) ピアスを勝手に付ける玉ちゃん、めちゃくちゃ可愛かったです(//∇//) (2020年5月15日 0時) (レス) id: a7b3edb10a (このIDを非表示/違反報告)
たな(プロフ) - 初めまして!ランキングから飛んで来ました!とても面白くて、思わずコメントさせていただきました!これからも無理ない程度に更新頑張ってください♪楽しみにしています(*´ω`*) (2020年5月14日 23時) (レス) id: 634395e976 (このIDを非表示/違反報告)
えむたま(プロフ) - nanacoさん» はじめまして!コメントありがとうございます。そう言っていただけで俄然やる気が出ます。ありがとうございます! (2020年5月10日 2時) (レス) id: 2de05128ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えむたま | 作成日時:2020年5月8日 0時