あれこれ詰め込んでみるのも悪くない。 (ページ7)

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不意に胸が押されて、腕の中から離れるA。まだ許してはもらえないのかと思いAの行動を見つめていればベッドにある花束を手に取って本数を数えていた。

『24本ある』

勧められるがまま選んだ花束に、どんな意味があるのかは知らなかった。Aは呆れたように笑いながら『忘れてたのにね。』と呟く。

何のことだから分からずにいればバラの花束には本数にも意味があることを教えてくれた。24本は「一日中あなたを想っています。」という意味らしくそれを告げられればチクリと胸が痛む。

『ちょっと寝る。』

そう告げれば着替えもせずにベッドに横になってしまった。服がシワになると言っても、気にしないらしい。

Aは嫌なことがあったら美味しいものを食べて幸せな気分になって寝る。というストレス解消をしているの。

きっと今は感情を整えるために寝るのだろう。だとしたら止めるに止められない。それが両者の為の最善策だ。

仕方なく靴だけ脱がせて、己も隣で横になる。一応ジャケットは脱いだ。

『ちゃんと起こしてね？』

そう言って目を閉じたAを見つめながら、次に目を開けた時には機嫌が直っていることを祈った。

いつのまにか自分も寝てしまっていてレストランの予約には少し遅刻。来年は絶対にリベンジしてやると心に誓ったのはまた別の話。

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