あれこれ詰め込んでみるのも悪くない。 (ページ6)

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ベッドの上にはバラの花束。これは手渡すべきなのだろうか。などと考えていると、後ろから『ねえ』と呼ぶAの声が聞こえる。

「どうし、っ！」

どうした？と返事をしようとして、胸に強い衝撃を受ける。一瞬息がつまり、1歩後ろに下がったところで、衝撃の元であるAの頭が胸元にあることを知る。

頭突きの勢いで思い切り頭をぶつけたまま、己の胸の前で俯いているA。

「A？」

結構な衝撃でぶつかってきたA。痛いか痛くないかと聞かれれば地味に痛い。それでも優先すべきは黙ったままのAで、恐る恐るその背中に腕を回す。

振り払われるか逃げられるかするかと思いながら優しく包むように抱きしめると、腕の中からは深いため息が聞こえた。

まだお許しは出ないか。と苦笑いしAの背中に回した腕を降ろそうとすれば

『心配した。』

腕の中から聞こえたのは、呆れるような、嘆くような声。

「ごめん。」

『心配しすぎて疲れた』

「本当ごめん。」

何度か「ごめん。」を繰り返して、やっとAの腕が己の腰に回る。それを合図に、己ももう一度抱きしめる。

許してくれたのだろうかと、腕の中のAの様子を探ってみるが、どうにも自信がない。

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