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じゅうごわ ページ18

家に帰る前にらーくんに傘返しにいこ。

コンコン

『Aです。』

乱「Aちゃんどーしたのー?」

『昨日の傘を返しに、
あと時間があるなら話の続きを』

乱「そゆこと、オッケー入ってー」

らーくんのことは離れてからというもの
よくわからない。

いつものような明るい声で話したり、
闇を抱えている声を出したり。
私にはわからない感情だ。

乱「じゃ昨日の話の続きをしようか。」

『孤児院の先生たちはどうなったの?』

乱「それは…」


ー回想ー

私たちが無花果さんにもらわれてから数年後
先生たちは無花果さんが私たちに何を
しているのかを突き止めた。
先生たちはもちろん良い人であったから、
良いであってしまったから、
私たちを孤児院に戻そうと無花果さんに
掛け合ったそうだ。
無論、無花果さんも了承するはずがなく、
そのやり取りに苛立ちを覚え始めた無花果さんは、
ヒプノシスマイクを社会に広め権力を手に入れると、
孤児院を潰した。

もちろん無花果さんが持つ“権力”で。
元々お金があるような院ではなかったため、
潰すのに苦労はなかっただろう。

無花果さんは先生はもちろん、
他のまだ親が見つからない
子供たちの未来にまで手を出した。

完全に潰した、二度と逆らえないようにするため。

その後先生たちは次々に自 殺していったらしい。
自分たちのせいでたくさんの子供たちの未来を
潰してしまったと後悔して…。

子供たちはいろんなところをたらい回しにされ、
まるで人形のような扱いを受けたらしい。
そしてことあるごとに使い物にならないと殺されたり、
自ら死を選んだり…。

ー回想終了ー

乱「これで僕があの女を殺したい理由がわかった?」

さすがにここまで無花果さんの権力によって
悲劇をもたらしているなんて知らなかった。

でも、これはもとはといえば私たちが
無花果さんの目に止まってしまったのが原因では…?

乱「もしAちゃんがこれに参加してくれるなら
 僕は大歓迎だよ!」

お花でも飛びそうににっこり笑う君が怖い。
君に対して初めてそんな感情を抱いた。

『理由はわかった。
 ちょっと考えさせて?』

このままここで結論を出そうとすると、
確実にらーくん側につく方を選ぶだろう。

乱「うん!
 じゃあまたね!」

『う、ん』

私はらーくんの事務所を後にした。

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作者名:湯たんぽぽ | 作成日時:2019年2月2日 17時

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