先生の隣 (ページ4)

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4:(裕太) ページ4

「なあ玉、教師...一回やってみない？」

大学時代の仲間で飲んでいた時、俺より一つ上のガヤがいきなりそう言ってきた。

玉「なんで？」

藤「俺が務めてる所に隣接してる通信制の学校の教師が事故に遭ったらしくてさ、代理探してるんだって。

玉、教員免許持ってるじゃん？どうかなーって。しかもその人社会科らしいし、そういや玉も社会だったよなと思ったの」

確かに大学は教育学部を卒業して教員免許も取得したけど、やっぱり俺は教師に向いてないというか...

だから、公務員にはならずに親友の宮田が開いてるカフェの経理を担当してる。

玉「俺に教師は無理だって。子供苦手だし、人前に出るのも嫌いだし」

「子供って(笑)高校生なんてもう子供じゃねーよ(笑)」

今度は近くにいた俺より二つ上のミツが、ゲラゲラと笑っている

玉「未成年だし、子供は子供じゃん」

藤「ははは(笑)

まあ1回やってみれば？意外と向いてるかもしれないし。教師、楽しいよ？」

玉「...正直に言えばいいのに。探すよう頼まれてるんでしょ？」

藤「あ...バレた？(笑)

そうなんだって、頼まれてんの。だからお願い！」

ガヤに頭下げられてさ...断れるわけないじゃん。

玉「...分かった、行くよ」

藤「まじで！？サンキュー。ほんと助かる！

お礼に今日は奢るから！」

玉「じゃあボトルワイン頼むね」

あんまり乗り気じゃないけど、困ってるガヤをほっとけないし...だから、本当にボトルワインを注文してやった。