【wrwrd!】あの、勘弁してください… (ページ9)

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9話子供…だよね？ページ9

「……二人とも大丈夫？」

辺りがしんと静まり返った時、レンはようやく歩みをやめた。
馬の上で大人しくしている二人を抱き下ろすと、レンは完全に動きを止めた。
傷口には未だに矢が刺さっており、白い毛を赤く汚していた。
回復魔法があれば良かったのに…なんで習得しなかったんだろう…こういう場合って矢を抜いていいんだっけ？駄目なんだっけ？どっちだっけ…？
ぐいっと腕を引っ張られて我に返る。
私が矢に手を伸ばしていて、その腕をゾム君が止めていた。

「ぬいたらあかんで」
「う、うんそうだよね…ありがとう」
「もうちょっとでおれたちのくにやから」
「そうね…治療してもらえるかな」
「だいじょうぶ！どうぶつすきなやつおるから！」

そういってゾム君は不安定な歩き方をするレンの手綱を持ち、ゆっくりと歩き始めた。

「だいじょうぶやで、もうちょっとやから！」
「あ、ありがとう」

シャオロン君が手に手を引かれ、私もようやく歩き出した。

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関所がでかい。
さすが軍事大国。
レンと私は建物のすぐ外に待たされて、中ではゾム君とシャオロン君がなにやら話し込んでいる。
……子供…なんだよな？
住民票照会でもしているのだろうか。
そんなこんな待っていると2人が帰ってきてあっさりと「入ってええよ」なんて言った
んなわけあるか、この国は軍事大国でスパイだの侵入者など疑われて簡単に入れるはずないでしょうが。
しかも助けたと入っても所詮は子供の意見。
通用するはずがないだろ。

「いやいやまさか。この国はそんな簡単に入れないでしょ。君達子供だから分からないかもしれないけど、この国は__」
「貴方がAさんですか」

置くから1人の男が出てきた。
ぴっちりと決めた髪と服装からみて、偉い人なのかなーと感じた。

「ゾムさんとシャオロンさんから話は聞きました、お礼をさせてください」

えぇ、子供にさん付け？いい大人が？
てか、この子達何者？孤児って言ってたけど……本当に孤児ならこんな対応されないよね？

「あっ、いやこのまま旅に出るので…」
「レンのけが、なおさなあかんやろ！」
「めしもくっとらんし、ねてへんやんか」

あ、と口を塞ごうとしたがもう遅かった。
男は突破口を見つけたかのようにキラリと目を光らせ、それはいけませんねと中へ入るよう催促してる。
うわーやめてくれーでもやっぱりレンの治療だけでもして欲しい。

「では……失礼します……」
「えぇ、ようこそ」
あー、もう本当になんなのよく分からない。