【wrwrd!】あの、勘弁してください… (ページ4)

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4話無関係な子供達ページ4

「なんの話してんの…ｵﾈｴｻﾝﾜｶﾗﾅｲﾅｰ。ほら、早く上がっておいで、それはそこに置きっぱなしでいいから」

そう言うと持っていた迷彩服の少年は球体を捨てることを躊躇っていて、さきにニット帽の少年が登ってきた。

「早く！後で作ってあげるから！」
「ほんまに？」
「ほんまほんま、ほら早く！」

なんか一瞬口調が移ったけど気にしてられない。
さっさと登ってきた迷彩服の少年を確認し、合流地点の方へ向いた。
その瞬間、呼吸とも違う、息がひゅっと喉を通る感覚がした。
合流地点のはずの森が焼けている、あそこには逃げ延びた人と野生の動物達がいるというのに。
確かに、乾燥している時期に森での火事は酷いものだ、そういう点では森に逃げたのは失敗だったかもしれない。
でも風もなければ燃え移るほどの距離でもない。
……逃げ道を見透かされて、火をつけられたとしか考えようがないのだ。

「(そんな……森を焼くなんて……)」

奴らの非道さを改めて実感した。
なら、この子達は？
関係の無い森を焼くのだから、関係ない子供たちにまで危害を加えるに違いない。
繋いでいる手をぐっと握りしめた。
せめて、この子達だけでも元の街へ返さないと…。
きっと、大婆様も、ほかの魔法使い達もそういうはずだ。
だから、早く森から目をそらして逃げなきゃ。
逃げなきゃ
逃げなきゃ
逃げ____

「なぁ、だいじょうぶか？」

私の余りにも尋常ではない表情に耐えきれなかったようで、ニット帽の少年が服を引っ張って聞いてきた。
はっと我に返って出てきそうな涙をぐっとこらえた。
こんな所で立ち止まるわけにはいかない、小さい子に心配させる訳にもいかない。
大人は私だけ、私がしっかりしなければ。

「……大丈夫だよ。それよりも君たちを送り届けるよ。どこから来たの？」

そして少年の口から出た言葉に耳を疑った。
少年が言った国は、若い総統が居るということと、戦争好きの人間が集まっていると有名な国だったからだ。
いや、それはどうでもいいとして、問題なのはその国とこの街の距離がとても遠いということ。
子供の足で来れるものじゃないだろう。