【wrwrd!】あの、勘弁してください… (ページ3)

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3話余裕綽々な逃走劇ページ3

「あ、このまちのひと……やな……？」
「えっ！？えぇと……」

急にオドオドとし始めるが、ショーケースに入ってるのが何だか面白い。
確かにこのショーケースは自動ロックがかかるものだが……なんで入ろうとしたんだろう……。

「僕達、ここの部屋の薬品は全部壊したの？」
「うっ、それは、」
「本当はいけないことだけど今はナイスだ！」
「へ？」

向こう側へ回り込んでロックを解除するとピーと機械音がして扉が開いた。
すぐに二人を抱き抱えて部屋から飛び出した。
煙はすぐそこまで迫っている。

「やっば……ちゃんと捕まっててね！」

そう言って逆方向へ走り出す。
うん、急だったから仕方ないね、がっつり胸を揉む形で掴まれたけどお姉さん気にしないから。
煙から少し距離が離れた所で隠し通路がある部屋にたどり着く。
二人を下ろしてキーを解除し、部屋に入る。
そして本棚の横にある隠しボタンを押すと勝手に動き後ろにある通路が現れた。

「「おぉ！」」
「さ、はやく入って」

三人とも入ったことを確認して再度ボタンを押して完全に閉まることを確認した。
真っ暗だ、だから右手をかざして光る球体を作り出した。
その瞬間、二人の目がキラキラと輝き出した。

「えっ！？」
「それなんなん！？」
「何って……あぁそっか、君達は別の街の子供なんだね……」

簡単に言えば魔法だ。
私はあまり強い魔法を使えるわけじゃないけど、今だけは感謝している。
ニット帽の少年と迷彩服の少年に手を繋がせ(なんか凄く嫌がられたけど……最近の子供はこうなのかしら……)、迷彩服の少年と片手を繋ぎ誘導する。
なんか喚いていたけど注意したらちゃんと静かになった、聞き分けはいい子みたいだ。
少し歩くと向こう側にハシゴが見えてきた。

「ちょっとこれ持っててね」

そう言って球体を渡し、先に登った。
上を閉めている扉は重いから、私が先に行かなければならない。
ぐっと力を込めて持ち上げると扉は簡単に開き、さらにまだ火が来ていない所までこれたようだった。
下からおぉ……と声が聞こえたけど、そんなに感動するものだっただろうか？

「しろかええな」
「そうか？みどりのほうがええんちゃう？」

……なんとなく想像はつくけど、君ら何歳なの……。