闇の先へ、２ (ページ5)

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いつも通りの朝。

と言ってもほぼ昼だけど。

顔を洗いに洗面所へ行くと、隣にあるサンルームから、洗濯物を干す音と誰かの会話が聞こえた。

あれ？山田はご飯作ってたし、光くん1人のはずだよな。独り言？

なんて思って顔を覗かせると、そこにいたのは光くんと有岡くんだった。

「何やってるの？」

挨拶も忘れて思わずそう声をかける。

「わっ、雄也」

「ぁっ……、おはようございます……」

「おはよう……？」

つられて挨拶しつつも様子を見ると、どうやら2人で洗濯物を干していたらしい。

「あ、大ちゃんがね、今日から色々手伝ってくれることになったんだ」

その言葉に思わず、

「え、有岡くんに頼んだの？俺やったのに」

と返してしまう。

すると光くんは焦ったように、

「ちがうちがう！大ちゃんが自分から言ってくれたの！」

と返した。

驚きつつも有岡くんの顔を見ると、光くんの言葉に同意するように頷いていた。

そっか、有岡くん、自分から動こうって思えてきたんだな。

俺は嬉しくなって、有岡くんの元へ近づいた。

そして、ありがとうと言うのと同時に、有岡くんの頭を軽く撫でた。

「ゎっ……！えっ、と………」

急な俺の行動にびっくりした有岡くんだったけど、次第に意味を理解し始めたのか、顔が赤く染まってきて。

その様子がかわいくて、さらに頭を撫で続けた。

「ちょっと、いつまでやってんの？」

光くんのこの声が聞こえるまで頭を撫で続けてしまった俺は、かなりの重症だろうな。

後からそう考えはするけど、やっぱりあの時は辞められなかった気がして、まぁいいや、と思い直す。

この後、有岡くんが手伝ってくれてることをみんなに話すと、それぞれ大喜び。

順番にお礼を言われて照れてる有岡くんがまたかわいくて、それを見るために毎日お礼を伝えるようになったのは、また別のお話。