闇の先へ、２ (ページ20)

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ちょっとだけ違和感はあった。

みんなが仕事に行った後、折角ひかが作ってくれたご飯を食べる気になれなかったり。

湯船に浸かるのが億劫で、軽くシャワーで済ませてしまったり。

この時間は1人になることが多いのに、なぜか今日はそのことにいつも以上の大きな不安を感じたり。

やること全てにいつもの倍の時間をかけて、気づいたら自分の部屋のベッドに倒れ込んでいた。

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「……ちゃん…！だ…ちゃん！」

誰かが呼ぶ声が聞こえる。

すごく切羽詰まった声だなぁ。

自分が呼ばれていることは分かってるのに、なんだか他人事みたいに感じた。

すごく心配されていることが分かる。

大丈夫だよって答えたい。

でも、目を開けるのも口を開くのもできないくらい身体が重い。

ぁ………。

また、意識が……。

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なんだか、すごくあたたかい。

柔らかい場所に横たわっているらしい。

ん……。あれ…、おれ、どうなったんだっけ……？

自分の意識がゆっくり浮上するのが分かる。

確認しようとゆっくり開いた目の隙間から、あたたかい光が差し込む。

っ……、まぶし……。

「起きた？」

声がする方に目を向けると、知念が本から顔を上げてこちらを見ていた。

「ちょっと見せてね」

本を閉じて、おれの顔や身体をペタペタと触る。

返事もしないで、されるがままになりながら、周りを見渡す。

どうやらおれは、自分のベッドに寝ているようだった。

「…まぁ、だいぶましかな」

一通りみて満足したのか、知念はそう呟くと、ちょっと待っててね、と俺に声を掛けて部屋を出た。

大人しく知念を待っている間、何があったのかを思い出す。

そっか…、おれ、熱出しちゃったのか……。

どおりでやけにだるかったんだな……。

熱を出すなんていつぶりだろう。

まだぼーっとする頭でそんなことを考えていると、部屋の外にみんなが集まっているのを感じた。