闇の先へ、２ (ページ1)

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新たな日常ページ1

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大ちゃんがハウスに来て2週間。

約1週間前、大ちゃんは初めて俺たちに笑顔を見せてくれた。

それから、部屋にこもりっぱなしだった大ちゃんは、少しずつ空いている時間にリビングにも顔を出すようになった。

と言ってもやることもなく、椅子に座ってボーッとしていることが多いんだけどね。

そうしていると、あ、ほら、

「ね、大貴って運動は得意？」

「…ぇ、っと…、多分、人並みだと思う……」

「えー、中学のときまでは、体育めっちゃ得意だったじゃん」

「だって、何年も前の話だし……」

「じゃあ今度、運動しに行こうね」

「……？」

「ずっとこもってるとくさっちゃうもん！

野球でもサッカーでも、ランニングとかジョギングでもいいよ」

「サッカーやろ！！」

「今大貴と話してるんだけど！！」

「いいじゃん、俺もやりたい！！」

あんなふうに合間を見ては誰かが話しかけている。

いつもならもっとリビングは人が少ないのに、あの日から急にみんな、リビングにいる時間が増えたんだよねー。

それもこれも、大ちゃんがいるからだろうけど。

なんか、微笑ましいよね。

「こーら、大ちゃん困ってるでしょ」

そう言って2人の間に入ったのは伊野尾ちゃん。

「ね、大ちゃん」

「ぁ……、えっと………」

山田と知念と裕翔は興奮しやすいから、ああやって間に入って止めてあげることが多い。

大ちゃんがよく喋っている相手は、山田と知念と伊野尾ちゃん。

俺たちも喋るけど、あんまりみんなで話しかけると大ちゃんの負担にもなるかなって話したから、ほどほどに。