JUMPな日常４ (ページ34)

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知念side

宏太が伊野尾ちゃんを連れてリビングを出ていった。
リビングは静まり返ってる。

有「……山田」

山「ごめん…」

涼介……

山「…ほんとに、ごめん。伊野尾ちゃんの言う通りだよ。俺が甘かったんだ…」

涼介、自分を責めてる。
僕らは誰もそんなこと思ってないのに。
多分、伊野尾ちゃんも口ではああ言ってたけど、ほんとはあんなこと思ってない。

八「誰も甘いだなんて思ってないよ。
伊野尾ちゃんだって、イライラして山田にあたっちゃっただけ」

中「そうだよ。気にしないで？山ちゃん」

山「…でも俺は、何もできなかった」

有「……」

山「父さんに会った瞬間、昔の記憶がよみがえった。
そしたら、何も言えなくなっちゃった…。
俺が自分でできるって言って、こんな作戦にしてもらったのに…」

中「…誰にでも言いたくないことやできないことはあるよ。
だから、そんなふうに考えなくても大丈夫」

山「でも……」

…多分涼介は、学校に潜入したあの事件(▲2参照)から、自己肯定感が低くなった。
あの時のことも、未だに自分の勝手な行動が招いた結果だと思ってる。
だから、こうやって作戦をうまくできないと、自分を責めちゃうんだと思う。

ガチャ

宏太が戻ってきた。

高「薮くん。…伊野尾くんは？」

薮「部屋で休んでるよ」

高「そっか」

BESTはこういう状況に慣れてるのか、重い雰囲気は感じられないけど、涼介はまだ俯いたまま。

薮「山田」

山「っ……」

宏太に呼ばれてビクッとした涼介。
僕らも、静かに次の言葉を待つ。

薮「気にすんな」

山「え……」

…宏太が掛けたのは、涼介にとっては意外な言葉だったらしかった。

薮「作戦はうまくいってた。
俺らは無事に帰ってきて、情報も得られた。
なにか他に問題ある？」

山「っでも！」

薮「さっき大ちゃんが言ってたろ。
誰にだって話したくないことや、苦手なことがある。
だからこそ、俺らは8人で任務をやってるんだろ？」

山「……!!」

そう、そうなの。
僕らはみんな万能な訳じゃない。
だからこそ、8人で補い合いながら任務を遂行する。
涼介にはそれに気づいて欲しいんだ。

薮「まだ次もあるし、もし気になるなら、次はもっとがんばってくれ」

山「…っうん！」

涼介の顔が少し明るくなった。
よかった…。これで、少しは伝わったかな？

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ymさん、すごい単純さんになってごめんなさい…。