★9-12 ページ35
知念side
あれから3日。
伊野尾ちゃんと涼介は、無事に仲直りした。
でも大貴と、特に涼介はあの後塞ぎ込んでいて、部屋にこもる時間が多くなった。
今も、涼介は自分の部屋にいる。
任務の方はというと、…ほとんど進んでいなかった。
っていうのも、ターゲットの危険さと情報の少なさのせいで動こうにもなかなか動けなくて。
伊野尾ちゃんを中心に情報集めはしているけど、行動には移せない状況が続いていた。
ガチャ
涼介がリビングに入ってきた。
…でもなんか、いつもとちょっと違う。
山「…みんな、ちょっといいかな」
中「やま?」
どうしたんだろう…。
山「…みんなに俺の昔の話を聞いて欲しいんだ」
涼介…?
中「急に、どうしたの?」
山「…この数日間、ずっと考えてた。
今俺はどうしなきゃいけないかなって」
それでずっとこもってたのか…。
山「…俺、ちゃんと向き合いたいよ。
みんなとも、俺自身とも。
このまま逃げてても、なにも変わらない。
…だから、みんなに俺の昔の話を聞いて欲しい」
知「涼介……」
八「無理しなくていいんだよ?」
山「話したいんだ、みんなに。
情報の足しにもならないけど、俺自身のためにも。……ダメ、かな?」
涼介がそんなこと言うなんて、びっくりした。
でも、涼介が向き合いたいなら、僕らにはそれを止める理由はない。
伊「ダメな訳ないじゃん」
山「伊野尾ちゃん…」
伊「山田が話してくれるなら、みんなちゃんと聞くし」
薮「うん」
あんな目して話されちゃ、ダメなんて言えないしね。
山「みんな、ありがとう」
ちらり、と大貴を見る涼介。
大貴は俯いていて、表情は見えない。
山「大ちゃん」
有「…」
山「俺が話したからって、大ちゃんが話さなきゃいけない訳じゃない。
これは俺の自分勝手だから、大ちゃんは何も考えずに聞いててくれたらいいよ」
涼介が話せば、大貴もって思うかもしれない。
涼介はそれを気づかって大貴に声を掛けた。
有「……うん」
小さな声で返事をした大貴を確認したあと、涼介はソファに腰掛けた。
そして、大きく1度息を吐き出した。
山「…じゃあ、話すね。______」
それから聞いた涼介の過去は、涼介にトラウマを植え付けるには十分すぎるものだった___。
609人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まり | 作成日時:2019年1月15日 17時